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時透 A
「…けど、ゆうも同じなんだよね、きっと。」
時透 有一郎
「…っ…」
時透 A
「母さんも父さんももう、いない。
お人好しだったために、優しすぎたために死んでしまった。
自分達姉弟を守ってくれる人はもう、いない。
神様や、仏様だって、善良に生きていた両親の事すら守っては下さらなかった。
…だからきっとゆうは、自分が、無一郎の兄である自分が頑張らないとって、そう思ってるんじゃないかな、って。そう思ったの」
時透 有一郎
「…」
相変わらずゆうは何も言わない。
けれど、ぎゅっと拳を握り締めたのを私は見逃さなかった。
時透 A
「…優しい子、なんだよね。むいって。父さんと母さんに、そっくり。
私も…まぁ、しっかりしてる、とは言いがたいし…。
…その分、ゆうはしっかりしてるし、自分がむいや私の事、守らないとって思ったのかな、って。
…そして、そう思えば思うほど余裕がなくなっちゃって、それでつい酷いこと言っちゃったんじゃないかな、って。
そう、思ったんだ」
時透 有一郎
「っ…」
図星をつかれた、という表情だった。
それでいて今にも泣きそうな表情だった。
壊れてしまいそうなほど、小さな、小さな姿だった。
時透 A
「…けどね、ゆう」
時透 有一郎
「…」
ゆうの目を見るが、ゆうは目を合わせたくないと言うように小さく俯く。
時透 A
「私、しってるよ。
ゆうも、むいと―父さんと母さんと同じくらい、優しい子だって事」
時透 有一郎
「…。
…そんなわけ、ない、だろ…」
小さく、小さく呟かれた言葉は相変わらず震えている。
時透 A
「…ううん。
優しいよ。ゆうは、優しい子よ。
私はそれを知ってる。ちょっと不器用な優しさを知ってる。
…あの日、
ゆうが一度も泣かなかったのは、むいのため…でしょ?」
時透 有一郎
「っ…!」
ハッとした表情でゆうが顔をあげる。
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るるっち(プロフ) - 優衣さん» 3歳の精神年齢じゃないですよね、妹のいる親友に何度現実を見ろと言われたことか……笑 でもそう言っていただけうれしいです!コメントありがとうございました! (9月15日 14時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 3才の無一郎と有一郎の喋り方が可愛いすぎて、心臓がすごくドキドキしました💕有一郎まだ3才なのに夢主ちゃんと無一郎よりしっかりしててすごい✨ (8月28日 22時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 紬さん» ですね〜、ストーリーから作画からもう何もかも非の付け所のない作品だと感じました。もっと沢山の人が見てくれたらいいですね。 (7月2日 21時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - ですよね〜!!うちからしても、今回の刀鍛冶から本番!!という感じがめちゃくちゃあります//むいくんのたたかうシーンとかめっちゃ見てほしい・・・☆まじかっこよすぎました! (7月2日 14時) (レス) id: c9acf0ff51 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 紬さん» 私に言わせれば寧ろ刀鍛冶からが本番みたいな所ありますし(時透激推しなので)最盛期に観ていた方々とかにも是非戻ってきて欲しいですね。 (7月1日 20時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
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