【鬼滅の刃】変人柱は黙れない

＊霞柱は素直じゃない ページ31

「むいむい〜〜♡♡今日こうして私と二人きりの時間つくってくれたのすごい嬉しいの♡けどね、私はどうしてこんなに暇なのか分からないんだ！！」

「ふうん、そう」

「すっげえ無関心じゃん…」


今日はありがたくむいむいの屋敷にお邪魔しているのだが。

呼んだ本人は永遠に紙飛行機をつくっているだけで見事に話題がない。

たまに私の脳天に紙飛行機が突き刺さると小さく舌打ちをされる。なんでや？

私もやることがないので紙を拝借して鶴を折っている。

いや私すこぶる不器用なんだけどね、花嫁修行(？)しとかないとね！！！


「むいむい見て〜♡折り鶴！！」

「やっと？それに下手くそだね」

「やめてよ泣きたくなるじゃん私泣いちゃう…」


確かにところどころぐちゃぐちゃになってるけど愛はこもってるから！！

むいむいは私なんか気にもとめず紙飛行機を飛ばしている。

どうやったらあんなに飛ぶ紙飛行機作れるんだろうなあ…やっぱり才能か？

そう考えてもくもくとむいむいの手つきを眺めていると、またこつんと額に紙飛行機が追突した。


「むいむいこれ絶対わざとやってるよね！？これで十何個目だよ！？好きだけど！！」

「…それ、折り目に沿ってやってみてよ。多分うまく飛ぶから」

「あっなるほどね思いやりね！！やっぱり好き♡」


勢いに任せて抱き締めようとしたらさっと避けられた。

言われた通りに紙飛行機をぱらりと解体してみると、ぽつんと黒い点があった。

よくよく見てみると、それは点じゃない。ものすごくちっちゃな文字の集合体だ。

これってもしかしてもしかしなくても、私に対してのめっせーじでは！？！？

言葉じゃ素直に言えないから文でつたえるとかそういうね！！好き！！

期待に胸を膨らませつつじっと文字を解読してみる。

＿『だいきらい』と、ちいさくそう書いてあった。


「ほぁ……」


完全に想像の斜め上に行かれて間抜けな声が出る。

えっここは大好きとかじゃないの？わざわざ文で想い伝えちゃう？想いっつーか呪詛じゃん？

当の本人は見計らったかのようにぷいっとそっぽを向いてしまった。


「ねぇむいむい！！どうしてなんだ！！！！私はこんなにもむいむいが大好きなのに〜！！嘘でもいいから好きって言ってよ！！いやもうこの際何かしら喋ってほしいんですけど！？」


ゆさゆさと身体を揺すっても目線すら向けてくれなかった。つらい…


実は、別の紙飛行機に塗りつぶされた文字列があったなんて私は知らないのだった。

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