DO YOU LOVE ME? (ページ4)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,844 hit

不審者を拾いますside GD ページ4

-side GD-

「あの…その…大丈夫ですか？」

想像以上に普通の言葉しか出てこなかった。

彼女は俺の言葉を聞いて目線を合わせようと腰を落とした。

『大丈夫です…家を探してるだけなんで』

想像以上にやばいやつだった。

酒の匂いに包まれてて、俺まで酔いそう。

「送りましょうか？」

そう言うと彼女の眉間に皺が出来る。

『お兄さん…そんな手口で私は誘拐なんてされませんよ？』

「……ん？w」

思わず笑ってしまった。

『あれ、お兄さん笑った。マフィアも笑うのか…』

どうやら彼女の中で俺はマフィアらしい。

「マフィアじゃないですよw」

『マフィアじゃない？？…マフィアじゃない…じゃあ、かなりヤバめなお兄さん？』

そっくりそのまま返してやりたい。

「かなりやばいかは分からないですけど、お姉さんこそかなりやばいですよ」

言ってしまった。

『ハハハッ！お兄さん面白い！よし！お笑い芸人だ！決定！』

今度はお笑い芸人にされてしまった。

『面白いお兄さん、私の家は□◇○△～ですぅぅぅぅ～……………』

「って！おい！！！」

どこまでもトリッキーすぎるこの女は、住所だけいうと崩れるように地面に倒れた。

急いで外に出て彼女の方に走る。

『ググゥゥ～…』

彼女はこの状況で眠っていた。

ご丁寧に段ボールを足元に置いて。

道端で寝ている酔っ払いは、こうやって落ちていくのかと理解できる瞬間だった。

「さて、どうしたものか…」

流石にこんな状況初めてだ。

嫌、普通はないだろ。

あの状況で、最後の気力で伝えられたであろう住所を覚えてしまっているあたりは、自分を褒めてやりたい。