DO YOU LOVE ME? (ページ3)

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不審者に出会いましたside YOU ページ3

-side YOU-

あの後冷蔵庫にあったビールを4本空けて、いい感じに酔っ払った。

キムチと掻き集めた彼とのお揃いのものたちをおつまみにしていたら、予想以上に酔った。

お揃いのものたちはダンボールに詰められ、気づいたらそれを持って外に出ていた。

酔っ払いは怖い。

そう。酔っ払いは怖いのだ。何をしでかすか分からない。

勢いで生きている生き物だ。

「やっべーな、何でこんなとこいんのよ……」

けどその勢いで生きている生き物も、酔いが覚めたら現実逃避をしたくなる。

誰も周りを歩いてないぐらいの真夜中に、携帯も財布も持たず、持っているのはお揃いを詰め込んだダンボールだけ。

……何の冗談だこの状況。

勢いで出てしまったせいで、現在地すらわからない。

今年26にして完璧に迷子だ。

辛い現実がいくつも重なると人はおかしくなるらしい。

「まぁ取り敢えず歩けば着くさ」

どこのお気楽能天気なんだと自分で自分にツッコミを入れたくなる。

ガシャン！！！！

神様は酔っ払いに厳しい。

「クソ！もう本当ついてない！！！」

マグカップを落とした。

しかもよりによって私の方のマグカップ。

何でだよ、あいつのにしろよ。

「あーいいよ、そんなマグカップ割れたって。もうどうせ使えないしね」

そうだ。ペアのマグカップなんてもう使えない。

いいんだ。逆にありがたかったよ神様。

それでもまだ、神様は酔っ払いに厳しかった。

「！！！！！！」

マグカップが割れて立ち止まっていた私の横に1台の車が止まった。

しかもすごい高級車。

不幸は重なるって言うけど、重なりすぎて逆に怖い。

私の頭の中にはマフィアしかいなかった。

こんな高級車、絶対マフィアだ！私捕まえられるんだ！！！！

「誰っ！？誰ですかー？？私なんて誘拐しても何にもなりませんよ！！！！」

車の中に見えるのは、夜なのにサングラスをかけた男の人。

嘘だろ…ありえねえ…こんな細身の人に捕まえられるの私？！

流石に勝機はあるかもしれない！！！これなら行けるかも！！！

私は密かに闘志を燃やしていた。

こんな馬鹿な考えに陥るのも全ては酔っ払っているから。

酔っ払いは強いのだ。

『あの…その…大丈夫ですか？』

窓が開いて、掛けられた声はとても優しそうな声で、少しだけ拍子抜けした。