第3話 最悪な夏の日 ページ4
*
春が終わり、梅雨、そして夏になった。
あの日からずっと時透家にはあまね様と共に足を運んでいる。
だがあの2人とは本格的な話を未だに出来ていない。
有一郎くんがあまね様に水を浴びせそうになった時は、庇って水を浴びせられたが隊服が水を弾いてくれた。ありがたい。
貴「あまね様一休み致しましょうか?
にちか様も、くいな様も水分をお取り下さい」
あ「ありがとうございます」
「「ありがとうございます」」
そう、今日も時透家に出向くのだが、あまね様と私だけではない。ご息女のにちか様とくいな様も同行しているのだ。
熱中症で倒れないように最善の注意を払っている。
山の中は何百匹の蝉の鳴き声が響き渡り、木陰で少し暑さは緩和されているが、それでもやはり暑い。
時透家まであと少し。
だが、
貴「───おかしい」
あ「……落藤様?」
静かすぎる。
いつもならあの双子はもうとっくに起きて何かしら行動している。
木を切る音、井戸から水を組む音、戸を開ける音。
なにも聞こえない。
あんなに騒がしかった蝉の鳴き声がシンッと消え、嫌な予感がすると言わんばかりに身体に悪寒が走った。
足に意識を集中させ肌に張り付く暑い空気を切り裂く。
貴「有一郎くん!無一郎くん!!」
戸は壊れていて、開けっ放し。
中には有一郎くんと無一郎くんが血を流して横たわっていた。
2人の血は乾いていて、体には蛆が湧いていた。有一郎くんは腐り始めている。
まずい、この状態は襲われてから最低でも24時間経ってしまっている。早急に手当をしなければ…!
貴「にちか様!くいな様!
桶いっぱいに水とお湯を!!」
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時