拾陸 ページ20
「A、A、」
『なに?そんなに呼ばなくてもここにいるよ』
「大好き」
『………』
最近無一郎は好意を言葉で伝えることが増えてきた。
当然抱き締めてきたりなどもする。
……一応言うが恋人では無い。
「俺以外のものにならないでね」
『私ものじゃないもん』
「そういう意味じゃない」
『知ってる』
先日無一郎の告白を断った(?)が、それから無一郎は自分の何がいけないのかを考えるようになったという。
別に無一郎が悪い訳じゃないのだが。
無一郎の告白で分かったことが2つある。
一つ目、無一郎は私をひどく愛してるということ。
今までは巫山戯ていたと思っていたが、あんな目をされては本気だと思う他なかった。
そして二つ目、
私は既に無一郎のことを好きだということ。
無一郎から告白されたことが嫌ではなく、寧ろ喜んでいた心は紛れも無く私の胸にあった。
でも。
両思いだとしても、その思いは結ばれない。
私が無一郎を好いているのなら尚のこと。大切な人を傷付けたくは無い。
それに、今のままで十分幸せだ。
ひとつ屋根の下に私と無一郎がいる。
なんていう未来が待っていたのならどんなに嬉しいことだろう。
そんな来るはずのない未来を思い描いていたら、喉の奥から何かが溢れるような感覚に襲われた。
『っう……!!』
「Aー?」
『な、なに?』
「俺帰るね。また明日」
『うん!』
左手で手を振り無一郎を送り出す。
『…右手だけに収まってよかった』
右手には、血がついていた。
無一郎に見られたら騒ぎ立てるだろう。
くらっ
『はっ……!』
吐血も目眩も全ては私が死に向かっているという証。
やはり思い描いた未来は
夢のまた夢。
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こんにちはユノしのです(*`ω´)b
なんか最近暗めの話ばかりになってしまってますね…
それなのにお気に入り登録して下さっている方がいて嬉しいです(^^)
もっと頑張りますので温かい目でお見守り下さい…( ˊᵕˋ )
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ユリア(プロフ) - どんな展開になるかドキドキワクワクしながら読みました!素晴らしい作品をありがとうございました(o^―^o)ニコ (2022年12月16日 12時) (レス) @page43 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 感動しました…!! (2021年2月22日 22時) (レス) id: 20f17d6d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユノしの | 作成日時:2020年3月23日 17時