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最後は大岩を押して運ぶ修行。
距離は一町。
これは、ぜんぜん出来なかった。
この大岩は私の背丈ぐらいの直径がある。
鬼の力にかまけてぜんぜん筋力を鍛えていなかったのが悔やまれる。
そこで、反復練習というものを教えてもらった。
ある決まった動作を繰り返すことで、力を引き出すことができる。
悲鳴嶼さんは「南無阿弥陀仏」と唱えるのが反復動作になっているらしい。
私の反復動作は、まず鬼の始祖を思い浮かべる。
次に、自分の名前を強く念じる。
こうすると、顔も知らない師匠と家族が私に力を貸してくれる気がするの。
『(鬼舞辻無惨、許せない…!)』
コォ__スゥ
『(藤宮…A…)』
う、動いた!やった!
このまま、一町動かしたる!
「よくがんばった、藤宮A。
これまでも、この先も、精神力が試されることは多いだろう。
その強い精神力で、決して心まで鬼に堕ちないように、人であってくれ…。」
この人が鬼殺隊最強と呼ばれる所以はこういうところにあるのではないだろうか。
『はい。私は、何があっても鬼には屈しません。
鬼殺隊の名誉と誇りに、かけて、誓います。』
「頼もしい限りだ。これからも、共に励もう」
悲鳴嶼さんは盲目だけれど、鬼殺隊最強と呼ばれている。
それは単なる肉体的な強さだけではなかった。
圧倒的な精神力。
私も悲鳴嶼さんのようになるために、力を磨いていこうと思う。
『__はい。』
私を信じてくれる人がいるなら、
自分の命が尽きる時まで、私は鬼殺隊であり続けたい。
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作者名:暁 夕暮 | 作成日時:2022年4月6日 14時