story.15 ページ16
＊
『…でも、その数日後、くいなは死んだ』
ｿﾞﾛ「………」
『くいなはね、私と会うたびにゾロの話をしてたの』
好かれてたんだね、と彼女は笑った。
しかし、その笑顔は何処か悲しそうで。
ｿﾞﾛ「…そうか」
『………』
ｿﾞﾛ「…でも、お前も強くなったじゃねェか」
『え…？』
ｿﾞﾛ「俺もよ、聞いてたんだ、くいなに。
これからもっと強くなれる奴がいるって」
ゾロは再び、手に持っていた酒を飲んだ。
ｿﾞﾛ「くいなはそいつの事、“妹みたい”って言ってた」
『それって…』
ｿﾞﾛ「…あァ、お前の事だ」
『…！』
彼女の大きな瞳から涙が溢れた。
ｿﾞﾛ「…！？おいっ、何で泣いてんだ…！」
ゾロはそんな彼女の姿を見て、戸惑った。
『わかんない…っ、わかんないけど…涙が、止まらないのっ…』
Aは、何故自分が泣いているのかわからなかった。
全く泣き止む気配のない彼女を見て、ゾロは頭をガシガシと掻いた。
ｿﾞﾛ「…まァ、泣きたいだけ泣け」
ゾロはAの頭を優しく撫でた。
『…っ、そんな優しくしないでよ…また涙が出てくるじゃないっ…』
ｿﾞﾛ「いいじゃねェか。…お前が泣き止むまで傍にいてやっからよ」
『…！うぅー…ゾロさんの馬鹿ぁ…』
ｿﾞﾛ「また“さん”に戻ってるぞ。後、馬鹿って何だ」
彼女の泣き声は、広い海へと消えていった。
＊
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続く (更新停止中)
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作者名：ティラミス | 作成日時：2019年2月20日 22時
