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第四章:孤独の葛藤/ファン ページ29

A「色が変わるボタン…
それと、数字が2桁…」

箱のロックは全て同じタイプのようで、

左側のボタンは光る色付きのボタン。
押す度に色が変わる。

右側のボタンは2桁の数字を入力するもの。
数字の上には英単語が書いてある。

A「…アゲ?って、何だ?テンション?」

林檎「“Age”…年齢って意味よ」

A「あっ…ありがとう御座います」

一人でブツブツ考えてると
後ろから教えてくれた。

めちゃくちゃ発音が良い。

林檎「勉強は苦手?」

A「はい…興味の有無で大分差が出ます…」

林檎「うふふ、気持ちはわかるけど、いつか
英語は必要になるわよ。夢があるなら尚更」

A「夢…ですか」

彼女はそういった夢を持っていたのだろうか。

……私にはもう無縁です、とは言い難かった。

A「オルゴールは解除のヒントかも…」

話を部屋の探索に戻す。

箱の上にそれぞれ置かれたオルゴール。
純粋に考えてコレはヒントだ。

一番上の段のオルゴールを鳴らしてみる。

林檎「聞き覚えのある曲ね。
んー……なんだったかしら…」

A「『水色天使』!ことみん初の
ポップなアイドル曲です!いつも大人な曲が
多いことみんには後にも先にも
ここまで明るい曲はありません!」

林檎「詳しいわね」

A「きっと現世の記憶が戻っているから
ですよ。お客様も全ての記憶がお戻りになれば
思い出す曲かと!」

次に真ん中の段のオルゴールを鳴らす。

A「これは『真紅の唇』ですね!
元々歌手志望だったことみんの歌唱力が
活きていて…大人のキスを題材にした
ことみんらしい曲です!」

最後に一番下の段のオルゴール。

A「『Mauveh Mark』…泣ける曲です。
DV彼氏に付けられた痣を愛の証だと言い
苦痛に耐え続ける話…モーブ色の痣を愛情の
マークと信じて疑わない切ない曲でした…!』

林檎「本当に好きなのね。
貴方の様子からとてもよく伝わるわ」

A「好きが故に熱くなってしまいました…」

林檎「構わないわ。聞いていて楽しいもの」

A「ありがとう御座います。
…オルゴールの曲からして、ロックの色ボタンは
解決ですね。あとは年齢でしょうか」

林檎「曲を出した当時の年齢…かしら?
流石にそこまで細かいこと覚えてるわけ…」

A「覚えています!
『水色天使』は17歳。『真紅の唇』は16歳。
『Mauveh Mark』は19歳です!」

林檎「凄まじい記憶力ね」

A「ファンですから!」

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作者名:麦兎 | 作成日時:2019年6月25日 0時

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