スクラブ男子

034 どうでもいい ページ34

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廊下のはじっこにある椅子に腰かけて、ぼーっと今日のことを考えてた。

別に付き合っているわけじゃないから、喧嘩なんてほとんどしたことがないし、こうやって気まずくなった時どうしていいかわからない。向こうがどう思っているのか、知りたい。









山田｢ん、甘いの苦手だったよね？｣







覚えてくれてたんだ。

気が利くし、やっぱりモテるんだろうな。彼とは違ったモテ方。山田先生は、その甘い優しさでドキドキさせるタイプ。








｢……ありがとうございます、｣









お礼を言って受け取った缶コーヒー。山田先生も、自分の分をぷしゅ、と開けながら隣りに大胆に座った。




つかれたぁ、って首をぐるぐる回して、グーにした手で肩をとんとん叩いている。そりゃお疲れだよね。昨日も当直だったみたいだし。こんなことに付き合わさせて、なんか悪いな………、









山田｢で、何があったの？｣






……、






山田｢名取先生に泣かされた？｣





｢っ、｣





山田｢…(笑)｣









ズバっと言い当てられて、肩がびくっと反応してしまった。それを見てクスクス笑ってる先生。コーヒーに口をつけながら、綺麗な瞳でわたしを見つめた。









山田｢ひどいこと言われたとか？｣





｢……ちがいます、｣





山田｢ちゅーされちゃった？｣





｢へ？｣





山田｢あんまがっつくように見えねえけどなー、｣









女に困ったことなさそうだし、って。

まあそれは確かに。あのルックスで、冷たくて、女の子の前では甘えさせたり優しさ見せたり。モテないわけがないと思う。









山田｢知ってる？あいつこの前、ここの事務の女の子に言い寄られててさ。｣






……そうなんだ、







山田｢そーれがまた可愛いのよ。目くりっとしてて。｣








俺はタイプじゃないけどね？って。

山田先生はそう言うけれど。受付の女の子なんか、きっと可愛い人ばっかりだもん。そっちに気がいって、わたしなんかどうでもよくなったのかな。元からどうでもいいと思われてた女が言うことでもないけれど………、









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