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032 大事にしたかった ページ32

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とぼとぼと、大貴くんの隣を歩く。

何も考えずにここまでやってきたけれど、大貴くんがいなかったらきっと帰り道もわからなかった。心配かけちゃって、申し訳なかったな。だって大貴くん、こんなに汗だく……









「…………ごめんなさい、」




大貴「ん?」









小さく呟くと、もうさっきのことなんて忘れてるみたいな声で、そう返してくれた大貴くん。忘れてるわけない。わかってるんだけど、









「………勝手に出てきちゃった、から、」





大貴「うん、いいよ。心配したけど。」





「……ごめんなさい、」





大貴「いいって。それに、俺もごめん。でかい声出して。びっくりさせたよな。」









わたしが謝っていたのに、いつの間にか大貴くんも申し訳なさそうな顔をしていた。

確かにびっくりしたけど、あれはわたしがいけなかったから。大貴くんは何も悪くないのに。








大貴「それ、欲しかったの?」









わたしの手元を見て、大貴くんが優しく問いかける。









「うん…、壊しちゃったから。」





大貴「別によかったのに。」





「だめだよ、」





大貴「そんなに気に入ったの?」








可笑しそうに首を傾げて笑う大貴くん。

でもね、それだけじゃなくて、









「……だって大貴くんが、教えてくれたこと、だから………、大事にしたかった。」





大貴「………、」









零れそうになる涙を、飲み込んだつもりだったのに。

立ち止まった大貴くんがじっとこっちを見るから、我慢してた涙が、粒になってぽろぽろと頬を伝ってしまう。









大貴「…………俺さ、気づいちゃった。」









ふっと視線を下げ、少し照れたように俯いた大貴くんが、不意にぽつりと呟いた。









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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます!大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます!いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2020年6月28日 15時

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