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004 足を頂戴 ページ4

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リョースケ「ちょ、ちょっと待ってくださいお嬢様、」






「会いたい人がいるの。」






リョースケ「会いたい人?」






「名前はわからないけど、わたしを助けてくれた人がいたの。傷ついたわたしを金魚鉢に入れて、優しく…」






リョースケ「お嬢様。」









外の世界での夢のような出会いを思い出し、必死に話していたのに。それを途中で遮ったリョースケは、いつになく真剣な顔でわたしを見つめた。









リョースケ「人間と人魚は、結ばれることはありません。」





「そんなのわかってる。」





リョースケ「だったら、」





「それでも会いたいの。こんな気持ち生まれて初めてなの。でもこのまま外に出れば、また魚の姿で彼に会うことになる……、」








熱い何かが胸の中を支配して、込み上げてくる。

だめだ、泣きそう。









「息もできないし、話すこともできない。見つけてもらえるかもわからない。そんなの…、っ」









溢れた涙が、泡になってプカプカと浮かんでいく。

滅多に泣かないわたしの涙に、リョースケは少し驚いた様子。でも直後には優しく頬を拭ってくれた。苦しそうにわたしを見つめる、彼の大きな目。執事として、どれだけわたしを想ってくれてるか、改めて気付かされる。









「たった1週間でいい。人間の姿になって、彼に会いたいの。だからわたしに、足を頂戴…っ、」





リョースケ「お嬢様………、」









リョースケに、ふわっと抱きしめられる。

その胸で泣きじゃくる子どものようなわたしを、いつもの優しさで慰めてくれた。顔は見えないけれど、きっとわたしの思いは伝わってるはず。だってあなたは、世界でたったひとりの、わたしの執事。









リョースケ「わかりました。ですが、こればっかりはお父様にお伺いしなければなりません。今日のようにわたしが黙っていれば過ぎていくようなことではありませんから。」





「……でも、」





リョースケ「大丈夫です。わたしがお父様を説得します。」









そう言ったリョースケは、強い眼差しをわたしに向けた。









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005 お父様→←003 人間になりたいの



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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます!大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます!いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2020年6月28日 15時

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