センセイ失格

017 赤く ページ17

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｢大ちゃんかっこいいー｣

｢ねぇわたしも頭撫でてー？ねぇねぇ、｣






……ほら、先生かっこいいもん。

特にハイブランドでもないどっかのスポーツメーカーのジャージに身を包んでるだけなのに。手首とか足首とか、鎖骨とか、そういうのがチラチラ見えるだけでかっこよくて。先生の知らないとこでこんなにドキってしてるんだから……困っちゃうね、









有岡｢ん、じゃあペアつくって。｣






にこにこして。寄ってくる女の子たちを特に嫌がりもせず、｢こらこら｣って笑いながら言うだけだもん。






有岡｢ん、体ほぐすぞー｣






みんながきちんとペアをつくれたか見回して、ふらふらーってわたしのところに歩いてくる先生。両腕の袖を捲りながら。あーほら、またかっこいい。







有岡｢んな顔しねーの。ほら座って。｣





｢……、｣





有岡｢ん、痛かったら言えな。｣









ぺたん、って足をのばして座ったわたしの背中を、ぎゅうぎゅう押しはじめる先生。

……うう、痛い。








｢ん、｣





有岡｢痛い？｣





｢うん、｣





有岡｢ふふ、我慢我慢。のびてる証拠だよ。｣








ちょっと…、ひどい。

歯医者さんとおんなじ手口だ。








有岡｢ふーって息吐いてみ？｣





｢んっ、｣





有岡｢ほら、ふーって。あ、ほらほら。ちょっと進んだ(笑)｣








何を言っても手は緩めない先生。触れられてる背中から、じわって熱くなって。





顔が赤くならないようにするのに必死なの。

知らないでしょ、先生。









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