センセイ失格

014 思わせぶりなこと ページ14

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伊野尾side









ずるいんだよ。あの子の気持ちに気づいてるくせに、シカトしまくって。思わせぶりなことばーっかして、あの子はたぶん苦しんでんのにさ。先生だから、先生だから、って。頑張って、なかったことにしようとしてんじゃねーの？






ほんとはこいつのがずっと惚れてんのに。あの子はいつになったら、報われんのかね。









伊野尾｢もーさ、いっそ食っちゃえば？｣





有岡｢だーめだってまじで。｣





伊野尾｢なに今さら、彼女でもない女ばっか抱い…｣





有岡｢もーだから…、それとこれとは、訳がちげーんだって。｣








かっこいいこと言っちゃって。あの彼氏モドキくん、ほんとに彼氏になっちゃったりするかもしんないじゃん。相当好きだよ、あの感じは。それでも断りつづけて大ちゃんのとこいるんだからさぁ。





あー、あと八乙女くん？あれも絶対好きだと思うんだよね。よくあるじゃん。幼なじみのこと好きだけど、関係崩れるの嫌だから言わない、的なさ。あいつ感情出すタイプじゃねーし、彼氏モドキくんよりはだいぶ引き気味だけど。本気出したら強いよ？ああいう子。









伊野尾｢大ちゃんがさ、だめだって思う一番の理由は何？｣





有岡｢理由って……、｣





伊野尾｢先生だから？クビ飛ぶかもなぁって、それだけ？｣





有岡｢…………、｣









ちげーっしょ。もっとあるでしょ、大ちゃん。俺も薄々わかってっけど。









有岡｢………したこと、ねーだろうな、って。｣









………ほら、やっぱね。








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