031 別れてほしい ページ31
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夜の公園。白い息を空気に溶かし、手をこすりながら大貴くんを待った。
“すぐ行くから待ってて”
そんなメッセージから数分。本当にすぐ来てくれた。
大貴｢あ、｣
｢……………わっ、｣
わたしを見つけてズンズン近づいてきて、いつ止まるの、と思ってたらそのままガバッと抱きしめられた。
大貴｢言ってくれれば家まで行ったのに。寒かったろ。｣
黒のダウンを羽織った大貴くん。制服じゃないのが少し新鮮で、かっこいい。
抱きしめられたまま、耳元でする大貴くんの声が、たまらなく嬉しかった。もう寒くない。
大貴｢風邪ひくぞ。｣
｢うん、いいよ。｣
大貴｢よくねえっつの。っとにもう。｣
呆れながらもちゃんと笑ってくれて、なんとなく安心した。いつもの大貴くんだ。
｢これどうしたの？｣
２つ並んだブランコに腰掛けて、ふと隣りを見ると、チェーンを握る大貴くんの手に絆創膏が見えた。
大貴｢あぁ、言ってなかったっけ？昨日盛大に転けたんだよ。｣
｢そうなの？｣
大貴｢みんなでサッカーしてて、休憩中にノリでぐるぐるバットして、すっげー目が回って。｣
まるでどんどん声が遠くなっていくような。
自分から聞いておいて、上の空だ。
大貴｢それでさ、めーちゃくちゃ派手に転けたんだよ。みんな大笑い。誰も心配してくんねーの。｣
｢…………｣
大貴｢膝も擦りむいたし、ほんと最悪でさ。｣
｢…………｣
大貴｢、聞いてる？｣
大貴くんに顔を覗き込まれ、ハッとする。さっきから頭の中を駆け巡っているのは、楽しかった大貴くんとの思い出ばかり。
馬鹿だね。こんな間際まで引きずって。
もっと早く伝えるべきだった。
｢あのね、｣
大貴｢ん？｣
いつもの優しい声と、笑顔が苦しい。
｢………別れてほしいの。｣
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いく(プロフ) - パレードが始まるが頭の中に流れました！！ステキなお話をありがとうございます。 (2020年8月9日 10時) (
レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - むぎさんの作品まじで大好きです。何億回でも読めます。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 62a0eb8cec (このIDを非表示/違反報告)
じゃん - 受験終わったあとの楽しみにしてて、今日読み終わりました。相変わらずむぎさん最高すぎます。大好きです。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - 好きすぎました！！めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃドキドキしたし有岡くんが有岡くんで、このお話大好きです！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d970aa184c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ幸せでした！またいつか機会があれば、未来に戻ってから結婚までのお話も気になるので、読めたら嬉しいな〜と思いました！ (2020年1月1日 13時) (レス) id: f99e88b778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2019年12月1日 12時
