スクラブ男子 2nd season (２)

095 命懸けたって ページ46

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名取side









うん、それがいいよ。って伊野尾と山田も優しく笑って、椅子なんかを退かして、ベッドまでの道を開けてくれる。

ゆっくり近づいて、そっとAの隣に赤ちゃんを寝かせる。ぴったり寄り添うようにして。









名取｢ほら、A。俺らの赤ちゃんだよ。｣






｢……………｣






名取｢目ぇ開けてみ？｣









２つ並んだ寝顔がそっくりで、ぽろぽろと涙がこぼれてくる。









名取｢命懸けたって、守れないものもあんだな。｣





｢……………｣





名取｢…………ごめんな？守ってやれなくて、っ｣









泣きたくないのに。思いと裏腹に溢れる涙は止まらなくて。伸ばした手で、柔らかい髪を撫でた。









山田｢んなことないよ、｣






名取｢………｣







山田｢十分守ったよ。名取先生は。｣









俺の肩に乗っかった、山田の手。









伊野尾｢そうそう。Aちゃんだってわかってるよ。命懸けで、自分のもとに来てくれたこと。｣





名取｢…………、｣






伊野尾｢色々あったかもしれないけど、夫婦ってそんなもんでしょ。何があったってこの人と乗り越えていくって、そう誓ったんだから。言いたいことは言わなきゃ伝わらないし、不安も本音もぶつけなきゃ。｣






名取｢…………うん、｣







緋山｢……いい夫婦だと思うよ。お似合いの。｣









ふふふ、と笑って、赤ちゃんを新生児室に預けに行ってくれた緋山先生。山田と伊野尾も、それぞれ業務に戻っていった。

そして2人残された病室で、もう一度Aの手を握り、ぽろぽろと涙をこぼした。









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