スクラブ男子 2nd season (２)

083 モヤモヤ ページ34

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岡本side









岡本｢Aちゃん………頑張ってね………、｣









意識が朦朧としている中。処置による痛みを感じているのかいないのか、まだ目を開ける様子はない。




それでも、何度も何度も声をかけながら。名取先生の指示で必死に、慎重に、手元を動かす。









名取｢近くに神経あるからな、気をつけろよ。｣





岡本｢はい、｣









もうこの瞬間に、俺の中のモヤモヤした気持ちが綺麗さっぱり消えていくのがわかった。Aちゃんに抱いていた、表に出しちゃいけない感情。

ここ最近ずっと目障りだったろうこの僕に、こんなに真剣に向き合ってくれた名取先生。Aちゃんとの仲を邪魔するなんて、これまでの僕は、どんなに自分勝手だったんだろう。






涙が、涙が、









岡本｢…っう、｣





名取｢泣くな。｣





岡本｢………っ、はい…｣









名取先生の声に掻き立てられ、さらに進めること３分。ようやく………









岡本｢っ、……止まった、｣





岡本｢……止血、できましたっ、｣









ん、よくやった。

名取先生の落ち着いた声がトランシーバーから聞こえて、また涙が溢れそうになる。まだ目を開けることはないけれど、少しだけ眉間にしわを寄せたAちゃん。助かるかもしれない。まずは、まずはAちゃんだけでも…………









その時だった。









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