013 別に、全然 ページ13
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名取side
最後まで見送ろうと思ってたのに。
後輩に妻を託すってのはなかなかつらいものがあって。仕方ないことだし、ましてや俺が頼み込んだとはいえ、２人で肩を並べて帰っていく姿を見るのは胸が痛む。…なんて。若いフェローと帰れることに浮かれてたらどうしようとか、ほんとはすげー色々考えてるくせに。
慧｢ねー、｣
名取｢……………｣
慧｢ねー！｣
名取｢……………｣
慧｢ねー！！｣
ちょいちょい、って肩を叩かれてハッとする。顔を上げると聴診器を首にかけ直しながら｢おつかれ、｣って笑う山田がいて。
山田｢ほっといて大丈夫？(笑)｣
名取｢ん？｣
山田が顎で指す先には、下唇を噛みながらこちらに冷たい視線を突き刺す伊野尾の姿。なんで睨んでんだよ。
慧｢さっきからずーーーっと呼んでた！｣
名取｢そ？｣
ため息ばっかついちゃってさ、って拗ねながら渡してきた書類。俺のハンコ待ちだったらしい。ポッケから｢名取｣の印鑑を出してテキトーに押したら逆さになった。
山田｢自分で頼んだくせに。｣
名取｢ん、何？｣
山田｢フェローくん。心配なんでしょ、余計なことしないか。｣
クスクス楽しそうに笑いながら、片手に持ったホットコーヒーをズズズとすすった山田。回転式のチェアに腰掛けながらぐるっと首を回して、肩も自分でとんとん叩いている。オペ終わりか。
名取｢別に、そんなんじゃねーけど。｣
山田｢まーたまた強がっちゃって。｣
ちげーっつの、って呆れ笑っても全然信じてないような顔でニヤニヤこちらを見つめてくる。
慧｢いっそのことあのフェローくんに奪ってほしいよねー？絶対優しいしさ。名取センセみたいに冷たくないもん。｣
名取｢うっせ、｣
岡本圭人。悪い奴じゃない。むしろいい奴すぎるくらいだ。まだフェローだし、もちろん俺らが指導してる立場だけど。なんか、気になんだよな。Aとも仲いいっぽいし。話してるとこよく見るし。別に、全然、嫉妬とかじゃねーけど。…………別に、全然。
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やまりん。 - すごく良い話で、読むのが楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年1月17日 2時) (
レス) id: 09cc536070 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新待ってます！！！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 67369f46c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - おもしろすぎますほんとに！！！！ずっと更新待ってます！ (2019年1月12日 13時) (レス) id: 89484a4688 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - おい芹沢ーやめろーー 失礼しました あけましておめでとうございます！今年も更新を楽しみにしています(^^♪更新頑張ってください！！ (2019年1月1日 10時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - こんにちは、いつも楽しみに見ています。更新待ってます。 (2018年12月27日 16時) (レス) id: 2b114bfedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2018年8月12日 19時
