012 レディーファースト ページ12
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｢あんな感じだけど、根は優しいから。冷たいこと言うかもしれないけど、許してあげてね。｣
彼とペアで動くことが多い岡本くん。彼もフェローの頃は緋山先生に鍛えられてたから、もう引っ張る立場になったんだなってしみじみ思うけど。救命にしてはめずらしくおっとりしてて、心優しい岡本くんだから。シュンとならないか心配になる時がある。
｢ほんとはね、もっと優しく丁寧に教えられればいいんだけど、そういうの苦手な人だから………｣
岡本｢ふふふ、うん。｣
なんて言えばうまく伝わるかな、って考えながら必死に話してたら、笑いながら頷く楽しそうな岡本くんが横目に見えた。手のひらで口元を覆いながら、何かを堪えている様子。
｢……どうしたの？｣
岡本｢ううん、何でもないよ。｣
なんて言いながらも、すごく楽しそう。
｢もう、何がおもしろいの？｣
岡本｢いや、違うの。可愛くてさ。｣
可愛くて？
まだ口元を覆ったまま、ニコニコと笑いながらこちらを見る岡本くん。
岡本｢すごい必死だなーって。ふふふ。｣
｢…っ、｣
岡本｢名取先生、こんな奥さんいて幸せだね。優しくて、可愛くて気遣いもできてさ。そりゃ好きになっちゃうよね。｣
す、きに……なっちゃう……？
岡本｢あ、ごめんね？違うの違うの。えっと……そういう意味じゃなくて、羨ましいっていうか……うん、そう。羨ましい！｣
ふふふ、って最後に照れたような笑い声。
岡本くんって意外と罪な男の子なのかな。すっごい純粋で何色にも染まってないような、そんな子だと思ってたけど。ほんとは女性を転がすのが上手だったり。その屈託のない笑顔に吸い込まれそうになったナースは何人いるのだろうか。
岡本｢ん、着いたよ。歩けそう？｣
｢うん。ありがとね、助かった。｣
そう言ってドアを開けようと手をかけた途端。
岡本｢え、待って待って！｣
びっくりしたように目を丸くして運転席のドアから飛び出した岡本くん。何かと思えば急いでこちらに走ってきてくれる姿がフロントガラスに見えて、あっという間にドアを開けてくれた。
岡本｢……だめだよ、女の子なのに。｣
本当に驚いている様子。未だにレディーファーストが染み付いているのか、女性にドアを開けさせるなんて…の精神がすごい。
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やまりん。 - すごく良い話で、読むのが楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年1月17日 2時) (
レス) id: 09cc536070 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新待ってます！！！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 67369f46c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - おもしろすぎますほんとに！！！！ずっと更新待ってます！ (2019年1月12日 13時) (レス) id: 89484a4688 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - おい芹沢ーやめろーー 失礼しました あけましておめでとうございます！今年も更新を楽しみにしています(^^♪更新頑張ってください！！ (2019年1月1日 10時) (レス) id: 31e5093717 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - こんにちは、いつも楽しみに見ています。更新待ってます。 (2018年12月27日 16時) (レス) id: 2b114bfedf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2018年8月12日 19時
