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013 くぎづけ? ページ13

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体育は得意でもないし、苦手でもない。

でもわりと好きなのは………




楽しそうな大ちゃんを見れるからなのかもしれない。









菜月「ぜーったい意識してるよ、ほら」





「そ、んなこと…………」





菜月「あーるーの。男ってだいたいそうだから、」









そんなふうに。

腕組みをした菜月にびしっと言い放たれちゃったら、そうなのかなぁ……なんて思わなくもない。





オレンジ色のビブスを着て、颯爽とコートのなかを走り回って楽しそうにバスケをする姿は、そこにいる誰よりも輝いて見えたりする。






「有岡くんかっこいいー」

「運動できる人いいよねー」






なんて、どこからか聞こえてくる女の子の声に少しだけシュンと縮む弱い心や、






「なんで彼女いないんだろ、」

「ね、ありえないよね。あんなに性格いいのに、」







きゅーっと握りつぶされるような胸の奥に、張り裂けそうな思いすら抱くことができないなんて。

わたしはとんだ邪魔者だ。









大貴「っ、!」







走っていく瞬間、ちらっとこっちを見ては、わたしが見ていることに気づいて、ぱちっと目を開く大ちゃん。




手を使わずに、頭を振って前髪を直すところも、好きな仕草のひとつだったりするの。




……あ、ほら。

それやってから、もう一回こっちを見て今度は笑う。









“く、ぎ、づ、け?”





ピピーッと選手交代の合図が鳴って、休憩に入った大ちゃんはドリンクを流し込んだあと、こっちに向かって何やら口パクで伝えてる。






“ち、が、う、よ”





わたしもおんなじように返したら、楽しそうに笑ってる彼が遠くに見える。









“だ、い、す、き!”






また見えるメッセージ。





「ば、か」とでも返せばよかったのに。

できなかったのは、やっぱり心が苦しかったからだ。









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(プロフ) - なんだこの小説!!超キュンキュンします!!続きも一気に読み進めます!!! (2017年12月9日 23時) (レス) id: 074c0f6b92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2017年4月2日 22時

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