岩本くんはコワくない

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｢ ちょ、ヒカルく ｣


岩｢ っあ、ごめん ｣







パッと私の手を払って、


ごめん赤くなっちゃったね、と眉を下げる彼







｢ 平気、でも ｣



岩｢ ん？ ｣



｢ なんで急に不機嫌になっちゃったのかな、って ｣








先を歩き始めた彼の大きな背中にそう問いかけると








岩｢ …Aちゃんは知らなくていいよ ｣








なんていつになく冷たく低い声で言われるから



突き放された気分








｢ そっ、か、 ｣



岩｢ …ん ｣








無理やり、なんで！？と問える関係性じゃないし、


…聞くなってオーラ出てるし







岩｢ ふっか、待たせちゃったね ｣



｢ …そうだね ｣







その後の空気は最悪で、笑顔で明るく話題を振ってくれるヒカルくんではなくて


なんか、いるからしょうがなく、って感じに見える








深｢ おー、遅せぇよ！笑 ｣



岩｢ ごめんごめん笑 ｣



深｢ んじゃ帰るかー…A？ ｣









立ち止まったままの私にどした？と優しく声を掛けてくれる深澤



不思議そうな顔をして私を見つめるヒカルくん



どちらもいたたまれなくて








｢ ごめ、私用事あるんだった、！先帰る！ ｣







深澤の制止を振り払って小走りで帰路を辿った



都合が悪くなると逃げ出す私の悪い癖

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