07.〈新生組合〉 ページ8
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『あの…その鍋は如何したんですか?』
「これか?これは今日の特売で買ったんだ」
『……特売?』
遂に聞いた疑問に返って来た答え。
あまりにも見た目と不釣り合いな単語に、思わず首を傾げた。
「二つ買えば三つ目は無料だ。これぞ賢い買い物」
『はあ……?』
ふふん、と得意気になる男性。
見た目によらず料理好きだったりするのかな…?
なんて事を考えるけど、それは手に持ってる飲み物を見て断ち切られる。
『あっ』
やばい、乱歩さんの事完全に忘れてた。
きっと今頃待ちくたびれてるだろう。
『あの、私待たせてる人が居るのでこれで失礼します!』
これは拙い、絶対怒られる。
こんな変な人に構ってる場合じゃ無かった…
少し後悔し乍ら、踵を返す。
「まあ待ちたまえ、篠崎A君?」
『…え』
後ろからかかった声に、歩き出した足が止まる。
振り返ると、変わらず微笑を浮かべている男性が居て。
『何で、私の名前…』
「そりゃあ知っているさ。探偵社の情報ならな』
背中を嫌な汗が伝っていく。
探偵社には敵が多い。
逆恨みを受ける事もしばしばある。
この人が、その類いの人間だったとしたら。
『……貴方は、誰ですか』
「俺か?俺は軍事会社の代表取締役だ。
…そして、新生
『組合…?』
その名前には、聞き覚えがあった。
まだ記憶に新しいあの事件を起こした元凶。
探偵社とマフィアが一時的に手を組んでまで倒した、あの…
「まあそんなに警戒するな。今日俺は君を勧誘しに来たのだ」
『勧誘?』
如何いう事?と眉をひそめる。
目の前の男性…フィッツジェラルドさんは、「そうだ」と笑った。
「A君、新生組合に加入する気は無いかね?」
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奏翔 - とても面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2023年3月21日 20時) (レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます!( ;ᵕ; ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚めっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです…😭更新頑張ります! (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年4月28日 20時