アクアマリン

05.〈少女の悩み〉 ページ6

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探偵社で仮とはいえ調査員として働き始めて、

社長の異能によってある程度は力が制御が出来るようになった。

でも、未だ完全ではない。


何故私はこの力を操れないのか。

考えても答えは一向に出てこない。





「おいA、起きているのか」

『……寝てます』

「仕事だ。乱歩さんと行って来い」

『…はぁーい』





バサッと書類で頭を叩かれて、仕方無く顔を上げる。



有無を云わせない表情の国木田さんから依頼書を受け取って、

相変わらず駄菓子を頬張っている乱歩さんと共に探偵社を出た。








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「何か考え事？」

『…ええ、まあ……
乱歩さんならそれも判るんじゃないですか？』

「まあね」





「ま、僕には興味無い事だけど」と乱歩さんはベンチに背を預けてラムネを飲む。

私達は連続殺人事件の調査に来たのだけれど、現場を見るなり乱歩さんは一瞬で事件を解決してしまった。

今はただの時間潰し中だ。





『………乱歩さん…如何して私は能力を制御できないんでしょう』





脚の上に置いた手に目を落とす。

生まれてからずっとこの能力と付き合って来ている筈なのに、何故。

十八年もの間、異能力が安定しないのはおかしいと思う。





「A」

『はい？』

「喉渇いた」

『え』

「飲み物買って来て！」

『ええ…』





乱歩さんの自由人さに、ガクリと身体が傾く。

今、割と真面目な相談してた心算なんだけどなあ。

全く……こっちはこんなに悩んでるっていうのに。


乱歩さんが「はーやーくー！」と子供みたいに急かすので、仕方無く近くの自販機まで飲み物を買いに行く事にした。



ていうか、先刻までラムネ飲んでたじゃん…




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