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119. ページ27











ゴッ





『痛っ』





突然頭に鈍い痛みが走って、涙目で頭を押さえる。

如何やら何時の間にかうたた寝をしていたようだ。

矢っ張り昼下がりの睡魔は恐ろしい。






「Aさん大丈夫ですか?」

『うん……おでこ赤くなってる?』

「ああ…バッチリ」

『うわ最悪…』






後々たんこぶとかになったら嫌だなあ…

なんて思い乍らおでこをさする。


…机の上に広げた書類が無事なだけ良いと思おう。






「疲れが溜まってるんじゃないですか?」

『ん〜……そう、なのかなあ』






敦くんが心配そうな顔で隣に座る。

私は頰をむにむにと抓り溜め息を吐いた。


探偵社でバイトをし始めてから暫く経つけど、今までの疲れが一気に出始めているのかもしれない。

それに最近では学校の方も忙しいし、バイトと学業とダブルパンチだ。






「国木田さんには僕から云っておきますから、今日はもう帰って休んだ方が良いですよ」

『え…でも』

「本格的に身体を壊す前に休んでおけ、国木田さんならそう云う筈です」






ね?と微笑む敦くん。

このまま仕事を続けて支障を来すのも悪いし、私は素直に頷いた。

そして直ぐに鞄を持って一足先に探偵社を後にした。









『駄目だ…眠い…』






余程疲れているのか、信号待ちの間にも容赦なく睡魔は襲って来る。

大きな欠伸をし乍ら横断歩道を渡っていると、






『……?』






スッと横を通り過ぎた人物に違和感を感じた。

一瞬見えた丈の長い黒い外套と、銀色の髪の毛。

それと浮世離れした雰囲気を纏っていた。




何となく、胸の辺りがざわついた。

その理由は判らない。


気になって振り返ったけれど、もう其処にはそれらしい人影は無かった。


……気にし過ぎかな。


早く帰って休もう、そう思い直して、信号機が点滅し始めた横断歩道の残りを急いで渡った。









この街に良くない何かが起ころうとしていた事は、

私は未だ知らない。







作者→←118.



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麦子(プロフ) - キティさん» 有難うございます、そちらも近いうちに完結させます! (2018年4月28日 20時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
キティ(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいてます!deadAppleの方の続き、気になります! (2018年4月25日 0時) (レス) id: 3776331f45 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - rikoriko51さん» やっぱり何度も観たくなっちゃいますよね! (2018年4月16日 7時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 高坂美月さん» 有難うございます、かっこいいと思って貰えて嬉しいです!頑張ります!(*^^*) (2018年4月16日 7時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
rikoriko51(プロフ) - 私は映画を二回見に行きました。 (2018年3月21日 20時) (レス) id: a789258bf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2018年3月11日 14時

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