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「先刻すっごいイケメンなお客さん見つけちゃった!」
「え、本当?誰々?どんな人?」
「えーとね、背が高くて、外套を羽織ってて、包帯巻いてる人!」
『ブッ!!』
休憩中の同じバイト仲間の会話を聞いていたAは、思わず飲んでいたお茶を吹き出した。
げほげほと咽せるAを話していたバイト仲間達が慌てて介抱する。
「如何したAちゃん!?」
「何々、若しかしてAちゃんも彼の人の事気になる!?」
『げほっ、いや、ちがっ、げほげほっ』
その人私の上司です
だなんて云える訳もなく。
「じゃあ頑張って!ファイト!」
「Aちゃん程の美人なら絶対お近付きになれるよ!」
彼女達の猛プッシュでお茶出し係になってしまったのである。
こういう変な気遣いは本当に要らない。
『……ウン。頑張るね』
なるべくあの団体二組には関わらないように、と密かに練っていた計画が台無しになった。
人数分のお茶菓子とお茶を持って、あのトラブルメーカー達の元へと向かう。
部屋の前まで来ると、何やら中からドタバタと騒々しい音が聞こえてきた。
彼らの辞書に大人しくするという言葉は無いのか?
溜め息を吐いて扉を開く。
『失礼します。お茶菓子を持って来────』
「あれっ、Aちゃん!」
「うわ!おい芥川!こんな処で異能は禁止だろ!」
「笑止。これは貴様を殺す絶好の機会」
「相変わらず騒がしいですなぁ」
「それは其方も変わらないだろう」
バタン
気付けば反射的に扉を閉めていた。
…………地獄か此処は。
と、Aは思わず呟いた。
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林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - うひゃぁあ更新有難うございます待ってました!!!いつ見ても面白いです!!これからも応援してます − !! (2019年4月30日 0時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - 続きがとても気になります! (2018年8月20日 14時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» 主人公が除霊(物理)したので大丈夫です!!(笑) (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» ありがとうございます!^^ (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 敦君。逃げて! (2018年7月10日 23時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年6月16日 21時