心配 ページ15
……おそらく他家の3人も、私と同じくわけがわからず動揺しているはず。
「オレの待ちは白単騎……
それ以外であれば連中は何だって捨てられる
手を整えられる
オープンした以上、オレに振り込む阿呆はいないだろう
だからこれは……猶予であり勝負だ
連中がテンパイまで手を整えてオレの親を蹴るが先か
オレがこの字一色オープンリーチをツモアガるが先か……」
ふう、とタバコの煙を吐き出すアカギさん。
「ば、バカにしやがって……！」
……たしかに、これじゃサービス精神が旺盛すぎる。
逆転トップとはいえ、2位の広瀬にアガられでもしたら点差は縮まってしまう。
それに、このリーチでアカギさんは自分のアガり牌以外はツモ切りしなきゃいけない。
もし誰かがテンパイしたとして、そのアガり牌をアカギさんがツモれば親の振り込みだってあるのに。
「き、危険すぎる……」
アカギさんの考えが、ますます分からなくなってきた。
「……Aさん、オレが心配？」
「えっ！？い、いや……そりゃアカギさんのことはいつも心配ですよ！
何考えてるかわかんないし……」
「ククッ、まあそれもそうか……
ただ、オレが何の考えもなしにオープンリーチなんてするもんかね
アガるよ、この手
この字一色で、討ち取る」
──この自信。
アカギさんの力強い言葉はいつも予言めいている。
まるで未来が見えているような口ぶりだ。
問題は他家の3人。
アカギさんのロン牌が分かれば恐れるものはない。
リーチもしているのだから、もはや手の変えようもない。
ついさっきまでの重い打ち回しが嘘のように、軽やかに牌を打ち出していく。
不安がなくなったのだからそれも当然だ。
それに──問題はまだある。
もう残されたツモ番が少ない。
ロン牌が吐き出されない以上、アカギさんの頼みの綱は自分のツモのみ。
それももうあと3回。
せっかくの役満、オープンしなければ直撃もあったこの手を流してしまうのはもったいなさすぎる。
九萬──ツモ切り。
あと2回。
ウーソー──ツモ切り……。
……あと1回。
いくらアカギさんでも、いくら自信があろうとも、アガれなければ意味を成さない。
一応テンパイはしているのだから、親の二連荘は確定。
悪くない。
流れに乗ったまま、東四局一本場で勝負に出る、というのも……。
そんな風に思った私の考えを見透かすように、広瀬が口を開いた。
「甘いな……」
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南南東(プロフ) - 一気読してしまいました。アカギとのやり取りの一つ一つが素敵です!!更新待ってます！ (2022年5月11日 0時) (
レス) @page21 id: 74d17b21fe (このIDを非表示/違反報告)
唯 - 初めから最新話まで、一気に読んでしまいました!♪ アカギさん初め、他のキャラクター達の人物背景も崩れてなくて、展開もキュンキュンしたりして、本当に夢中で読んでいました。更新楽しみに待っています。最近は、冷え込む日も多いので、お体には気をつけて下さい。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: a44ec662f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戦犯にわか | 作成日時：2019年12月22日 21時
