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しばらくその人は、いつも弾いてる雪の歌を弾いて歌ってくれた。
少し切なくて、綺麗なメロディ。
あたしはその人が弾くのをぼんやりと見ながら、音に包まれていた。
.
.
今まで生きてきた中で、こんな時間、なかった。
他人とこんなに関わることも。
誰かの笑顔を見ると嬉しくなることも。
こんなに落ち着く時間を過ごすことも。
こんな暮らしがあること、知らなかった。
この人は、どうしてあたしを助けてくれたんだろう…。
なんでこんなあたしを、受け入れてくれたんだろう…。
なぜかあたしは無性にその人に聞きたくなって、無意識に声に出ていた。
『…なんで、』
「…ん？」
『…あなたは、なにをしてる人なの。
なんであたしに声をかけてくれたの。
なんで助けてくれたの。
なんであたしと暮らしてくれるの。
なんで、一緒にいてくれるの。』
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作者名：ふう
| 作成日時：2020年6月12日 17時
