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俺は涙を流さないようぐっとこらえ、祭壇の前に座る。
正直、まだ信じられない。
そもそも、あの日々は本物だったのかと疑いたくなるほどだった。
でも、確かにさっきまで一緒にいて、隣を歩いてた。
頭を撫で回す手の感触ははっきり覚えてる。
人混みで迷子にならないようにAがずっと掴んでいた
俺のシャツの裾にはシワが残ってて……
キヨ『あっ………』
キヨ兄！！！一緒にお兄ちゃんを助けてくれてありがとう。
お兄ちゃんと同じくらい大好きだよー！！
この時、確かに見えた。
いつからか、たまに見せてくれるようになった満面の笑みで
俺にそう呼びかけたAの姿が。
キヨ｟A…俺の方こそありがとうな？一緒にいれて楽しかったよ。大好きだぞ。｠
俺も最後は笑顔で、そっと手を合わせた。
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.
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『よかったらまたいらしてください。息子にも話を聞かせてあげて欲しいんです。』
キヨ『はい、きっとまた来ます。失礼します。』
最後まで深く頭を下げてお礼を言ってくれたAの母親。
あんな素敵なお母さんのこと、誤解してごめんなさいと
心の中で謝り、Aの家を後にした。
戻るべき場所……
どこにも行かないように……
そうかぁ…Aは兄ちゃんが成仏しないように。
まだこっちに来るなって、ずっと見張ってたのかなぁ。
なんだかまだ現実を生きている実感がないまま、
いつのまにか着いてしまった家に入る。
キヨ『ただい、、まぁ…』
たった2週間ほどの事なのに、癖になってしまったこの言葉。
リビングを開けると、確かにあの子がここにいた跡が
残っていて、また夢を見ているような感覚に襲われた。
Aが使っていた布団。
なぜか気に入って、洗濯しては着てを繰り返していたダボダボの部屋着。
俺は、この気持ちから逃げたくて
電話帳からAの文字を探して通話ボタンを押す。
【おかけになった電話番号は現在使われておりません。】
無機質な機械の音声が鼓膜を揺らす……
キヨ『ゲーム…片付けよ。』
何かしていないと、倒れてしまいそうだった。
あいつが使っていた布団も、日用品も、服も、なにもかも
全部片付けて、俺はある事に気がつく。
キヨ猫バックと、ぬいぐるみが……一つずつない。
キヨ『ははっ…あははっ！！あいつっ！持っていきやがった！！
ははっ…くそっ…A……っA、、、』
ごめん。やっぱ無理。
面倒見てやったんだ。今日くらい泣かせてくれな？
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シロ(プロフ) - 今日見つけて一気読みしたんですがもう泣きそうです。更新楽しみにしてます！ (2月29日 11時) (
レス) @page35 id: 0f818d1e71 (このIDを非表示/違反報告)
むぎむぎ(プロフ) - honoさん» 読んでいただきありがとうございます！！頑張って更新しますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです！！！ (9月26日 18時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
hono - 今日見つけて読んだんですけど面白すぎて全部読んじゃいました！！！これからも更新待ってます！ (9月26日 5時) (レス) @page26 id: f4c357a258 (このIDを非表示/違反報告)
むぎむぎ(プロフ) - 舞さん» 大変お待たせしました…！読んでいただきありがとうございます！最後までお付き合いいただけたらうれしいです！ (9月16日 15時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新ありがとうございます！毎回楽しみに読ませてもらってます。 (9月16日 1時) (レス) @page26 id: 6cc5db9b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎむぎ | 作成日時：2023年7月25日 16時
