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A「私も…そう思ってるから。」
話すよ。
力強く頷いたAを、いざ目の当たりにすると
途端に寂しさが込み上げる。
いい。これでいい。
これが本来の目的なんだから。
A「でも…せっかくキヨ兄が作ってくれたご飯!
味わってからにする!!」
あぁ…Aの方がよっぽど大人だ。
キヨ『そうだな!食ってからにしよう!』
俺も笑顔でいてやらないといけないと思った。
.
.
.
それからいつも通りAと食器の片付けをして、
ソファーに座って、いつも通り横並びで何をするわけでもなく過ごす。
どう切り出そうかと思っていた時、Aが口を開いた。
A「もし、これで解決したら…キヨ兄と会えなくなっちゃうから。
先に……こんな変な事に最後まで付き合ってくれてありがとう。」
こちらを向き、正座をして頭を下げるA。
A「突然、変な女子高生が押しかけてきて、迷惑かけてるのに……キヨ兄は嫌な顔一つしないし、こんなに世話焼きで、正直心配になるくらいお人好しで。
でもそんなキヨ兄に会わせてくれたお兄ちゃんに感謝すらしちゃうくらい本当に楽しい毎日だったの。
ありがとう。本当に、ありがとうございました。」
キヨ『会えなくなるなんて言わないでよ。
またいつでも遊びに来い。俺も楽しかったんだ。ありがとうA。』
目に涙を溜めたAはそれを落とすまいと力強く笑った。
A「交通事故だったの。私も一緒にいた。お兄ちゃんがこうなった原因は事故。」
キヨ『一緒に…いた、、の?』
A「2人で遊園地に行く途中で。私は…一度も遊園地に行ったことがなくて。
だから夏休みに入ったら一緒に行くって約束だった。」
夏休みに入ったら…って、、最近の話じゃねぇか、、
A「お兄ちゃん、無理やり仕事休んでくれて…2人で車で向かってる途中に…飲酒運転の対向車が突っ込んできて……
私が、行かないって言えば。行きたいなんて言わなければ……」
言葉を詰まらせたAの手を俺はぎゅっと握った。
キヨ『………怖かったな?よく頑張ったな。』
A「お兄ちゃん…私が怒ってると思ってるのかなぁ…
だから、いつまでもこうやって私のこと見てるのかな。」
キヨ『いや!!それは絶対にないっ!そばにいりゃわかる!
そんな風には思えない……し、、、待って。遊園地に行ったことがないって言った、、、?』
A「えっ…うん。」
キヨ『それだよ………それだっ!!!』
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シロ(プロフ) - 今日見つけて一気読みしたんですがもう泣きそうです。更新楽しみにしてます! (2月29日 11時) (レス) @page35 id: 0f818d1e71 (このIDを非表示/違反報告)
むぎむぎ(プロフ) - honoさん» 読んでいただきありがとうございます!!頑張って更新しますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!!! (9月26日 18時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
hono - 今日見つけて読んだんですけど面白すぎて全部読んじゃいました!!!これからも更新待ってます! (9月26日 5時) (レス) @page26 id: f4c357a258 (このIDを非表示/違反報告)
むぎむぎ(プロフ) - 舞さん» 大変お待たせしました…!読んでいただきありがとうございます!最後までお付き合いいただけたらうれしいです! (9月16日 15時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新ありがとうございます!毎回楽しみに読ませてもらってます。 (9月16日 1時) (レス) @page26 id: 6cc5db9b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎむぎ | 作成日時:2023年7月25日 16時