顔も知らない君に恋してもいいですか

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キヨくんが帰った後、

私は鳴り止まない心臓を落ち着かせるかのようにため息ついた。


「はぁぁぁ！！びっくりした。嘘でしょ…？
えっ？こんなことある？普通。
まじかぁ…いや。本当心臓止まるかと思った、、、、」


まだ少し震えている手で、スマホを手に取り、グループラインを開く


【大変なことが起きた。夜来れる人。】

【どうしたー？ちょうど行こうと思ってた。】

【私も行ける！待ってろー！！】

【ありがとう。待ってる。カレーあるよ。】



とだけ送り、深呼吸をして私は仕事モードに戻ることにした。



------その夜。


『えっ！あの！？キヨくんが！？』
『ここに来たの！？！？！？！？』


barオープン時間前、2人は急いで来てくれて、
私は今日の出来事を話した。


「うん。本当に偶然。心臓止まるかと思ったぁぁ…」

『そんなことってあるんだね(笑)』

『にしてもだよ！運命とか、奇跡とかそういう類のものでしょ！そんなのwwww』


運命、奇跡…ねぇ、、


『でも相手はあんたのこと知らないんでしょ？』


「もちろん。」


『じゃあ上手く誤魔化したってわけね。で？このまま隠し通すつもり？』


『でもそれって、もし顔知った時にショックじゃない…？
私がキヨくんの立場だったら嫌だなぁ…』


「それ。それなのよ…」


『ついに、顔出しかぁー？？ねぇ、"Aちゃん"よぉ。』


「えぇ……今更だよぉ…」



そう…私はカフェ店員の顔の他にもう一つ

ゲーム実況者の顔を持っている。

謎だらけの実況者として10年以上、顔バレもせずに
活動してきたAは私だ。


『友達として秘密を守るのはもちろん当たり前なんだけど…
でも私は、顔出し賛成。
Aが、デブでブスとか、陰キャで根暗とか、声しか可愛くないとか。言われてんのほんと腹立つんだよね。
こんなに可愛くて、美人なのにさー！！！』


『まじそれ！うちらの高校のミスグランプリよ！？
なにがデブでブスよ！！
Aなんて食べても太らない、黙ってても女にマウント取れる系女子なのにね！！！』


A「なんか…悪口言われたか？今(笑)」


『とにかく、キヨくんがまた来るかもわからないんだから、そっちでは普通に接しなさいよ？』


A「うん…」


『早めに言った方がいいと思うなー。私は。
だって…好きなんでしょ？キヨくんのこと。』


A「す、好きっていうか！！憧れ…っていうか…」


『じゃあ、キヨくんには正直に言ったら？』


私は、、どうしたらいいの…

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