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序章 ページ2
あ
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夢を見ていた。
それは、遠く離れた場所から誰かが自分の名を呼んでいるというもので、悲痛な叫びにも似たその声がどうしても気がかりだったのだ。
あぁ、哀しいのだろう。
悔しいのだろう。
その気持ちは痛いぐらいに分かるのに、その声に応えることはできない。
それは、夢の中だからという訳ではなく、もう少しで自分が死んでしまうことが分かっていたからだ。
だから、こんなに近くにいるのに声だけが遠い。
「絶対に死なせない…!」
そう言ってその人は必死に手を握るが、握り返すことはできなかった。
もう身体に力は入らないし、大丈夫なふりすらできない。
そんな顔をさせたかった訳ではないのに。
もっと、一緒に過ごしたかったのに。
朦朧とする意識の中で願う。
自分はどうなっても構わない。
だけど、この人だけは生きていて欲しい。
ただ、それだけを必死に願った。
あ
あ
あ
あ
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作成日時:2021年1月7日 15時