Prince of volleyball .

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TV(密着取材) .









密着取材を始めて2か月。


12月5日、大路の誕生日であるこの日に、初めて我々は大路の自宅に招かれた。


インターホンを押すと、眠そうに出てきた大路は我々を部屋の中へと入れてくれた。









" …物ないですね…(笑) "


｢ …本当はもっと無かったんですけど…流石に怒られて… ｣


" これ以上なくて生活に困らないんですか？ "


｢ 寝られれば…って感じですね… ｣









部屋の中は、女子とは思えないほど殺風景だった。


8帖ほどのワンルームで、置いてある物は、TVに机にベッドだけ。クローゼットの中もカラーボックス1個と服が10着ほどあるだけだった。


…だが、ベッドの上だけは、異彩を放っていた。


そこには、これでもかというほど積み上げられていたプレゼント。


流石は王子様、と言ったところだろうか。圧倒的な人気はロシアでも健在のようだ。









" …プレゼント、凄い量ですね "


｢ …ですね…去年酷かったんで、チームで制限して貰ってたんですけど… ｣


" …まさか、これ以上貰ったんですか？ "


｢ え？あ、はい。…持って帰るのも困難だったので、体育館で仕分けして、寄付したりとか… ｣


" …そ、そうなんですか… "









そこまで話を聞くと、ふいに鳴ったインターホン。


大路は、すいません、と一言、我々に言い玄関へ向かっていった。


その後、少し時間が経ってから部屋の中へと戻ってきた大路の手には、ダンボールが。


日本語が書いてあるところを見ると、日本からわざわざ送られてきた物のようだった。








｢ すいません、取材中悪いんですけど…電話してもいいですか？ ｣


" あ、いえ。どうぞ "









2か月密着していて、大路がバレーと関係の無い電話をするのは初めてだった。









｢ …もしもし、…ん、ありがとな……感謝、してるって………好きだよ、…うん、…『 おめでとう 』…あ、見たのか？………こっちだって狙ってねーよ…ん、じゃーな、 ｣

(『』はロシア語です)









我々は聞いてはいけないものを聞いてしまったかもしれない…









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電話の相手は(誕生日が一緒の)山田です


｢ 何、プレゼント届いた？…お前ほんと感謝の意が伝わってこないぞ……ま、いいけど。お前意外とアクセサリー好きだよな。…だからプレゼントにした。…てか俺には？…俺にもプレゼント届いてる、…お前もアクセサリーとか…は、だよな(笑)…そんじゃーな。 ｣









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