Prince of volleyball .

# 18 ページ18

柳田視点 .









おかしい、と感じたのはいつからだろうか。


...あぁ、あの日だ。溜息なんてつかないAが珍しく溜息をついていた日。


話を聞けば、バレーの事で悩んでると言う。俺はAがそんなことを言うなんて、と思い笑った。


笑っている俺を見て、疑問を投げかけて来たA。俺は正直にそんなことを言うとは思わなかった、そう言った。


俺の言葉を聞いて、少しハッとしたような表情をしたAは、あまり動かない表情を綻ばせた。


Aが笑うなんて珍しいこともあるんだな、そんなことを思いながらその日は別れた。


それが、いけなかった？


その日から、Aとは会ってない。連絡も取ってない。...4か月も。今ままでだって2週間ぐらい会わないことだってあったけど。


これは異常。


そう思ったのが2か月前。Aの友達に聞いてみても行方が分からない。


ましてや、大学に聞けば、大学を1か月前に辞めた？


おかしいだろ。なんで俺に連絡してこないんだよ、何してんだよ、今。


でも、弟の隼人に聞けば、


...姉ちゃん？どこ行ったかは分からないんですけど、生きてますよ、バレーしてます。親から聞きました。


行方は結局分からなかった。けど、Aがバレーをしている、それだけで十分な気も今はしてる。


いつだったか、Aから聞いた話。...全日本でプレーをするのが夢、そう聞いていたのを思い出したから。


俺が全日本にいれば、また会えるんだろ？な、A？


...まあ、欲を言えば相談して欲しかったし、連絡して欲しい。俺は...Aは思ってないかもしれないけど、Aと1番仲良い先輩だと思ってるから。


親にしか連絡してない、と聞いているからまだいいけど、これで他の奴にはしてた、って聞いてたら、俺、かなり傷ついてただろーな(笑)


まー、出来るだけ早く会えるといいな。









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