無題 (ページ18)

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いぬページ18

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「あらごめん」

「起こしちゃった？」

重い瞼をこすりながら、薄ら目を開ける。

既にスーツに着替えた彼と、鏡越しに目が合った。

「おはよう」

その笑顔に胸がぎゅっとなって、
素早い動きで起き上がり彼に抱きつく。

朝から元気やなぁ、って笑いながら、
私の頭をよしよしと優しく撫でる彼の手。

『わたし今日お休みなのになんでよしくん仕事なの』

「せやなあ」

『有給使って』

「今日めっちゃ大事な会議あるからなあ」

『............もういい』

『今日飲みに行ってやる』

わたしのこと言いなだめるのとかまるめくるめるのとか、
ほんとに上手なんだよなこの人。

それにまんまと乗せられちゃうのがたまにむかつく。

「誰と行くん？」

『...誰とでもいいじゃん』

彼が両手でキュッと私の頬を挟む。

「そうやって意地悪言う子きらいやで」

『........お友達と行きます』

「あんま遅なったらあかんで」

「心配やわ」

多分飲みになんか行かない。

そのことも彼はきっと分かって言ってるんだ。

『........早く帰ってきて』

彼がにっこり微笑んで、わたしの髪を優しく撫でる。

「Aほんまわんちゃんみたいやな」

『今流行りの犬系彼女ですか』

「そんなん流行ってんの？」

ようわからんって笑いながら私の手を取って、玄関に向かう。

「行ってくるな」

『.........うん』

「行ってらっしゃいのちゅーせえへんの？」

『する』

「はい、どうぞ」

少し背伸びして、私から軽く唇を重ねる。

「いい子にしてるんやで」

その言葉に私は従順に従う。

たとえ彼が今日、帰ってこなくても。

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(🐶🐶🐶)