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思わず押し返そうとしても、びくともしない。
舌が入り込んで息が出来なくて、
正門くんの胸元を必死にトントンと叩く。
その手を奪って、押し倒すようにベッドへ。
『っ、正門くん、やだ』
私の抵抗も虚しく、
彼の手は私を押さえつけたまま。
「.....よしくんって言ってくれへんの」
真っ直ぐ私を見下ろす光のない瞳に、
吸い込まれそうなのが怖くて、
押さえつけられている腕を払おうともがく。
『ねえ離して、おねが』
少し荒らげた声を、
しー、と口元を抑えられ止められる。
「痛くしたくないから」
「大人しくしてて？」
冷たい笑顔のまま、彼が言う。
「.....な？いいこ」
見慣れてきた優しい笑顔のはずなのに、怖い。
彼の手が首元をなぞって、
私のネックレスに指が掛かる。
「かわいいなこれ、もらったん？」
「綺麗におめかししちゃって」
表情は全く変えないまま。
「残念やなぁ、彼氏さん」
「たのしみに待ってるやろな」
彼の言葉を理解しようとついていくのに精一杯で、
なにも言葉が出ない。
「........Aちゃん、来おへんのに」
私の耳元でバイブ音と共に表示されている着信の画面が、
静かに消された。
fin
(ちなみに彼氏は誰がいい？私せーやくん😃)
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作者名：無名 | 作成日時：2024年1月5日 23時
