無題 (ページ1)

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たばこページ1

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気だるいバイト先の飲み会。

なんとなく断れなくて来てみたけど

お酒もそこまで好きじゃないし

さっきからずっとタバコが吸いたい。

みんなが盛り上がってる隙を狙って、

こっそり抜け出して外のベンチに一人で腰掛ける。

『................はぁー、』

煙と共に吐き出された大きな溜息。

なんか理由つけてもう帰ろうかなぁ

なんて考えていた。

「Aちゃん、たばことか吸うねんな」

思わずビクゥ！って跳ねた心臓と
吸い込みすぎた煙のせいでゴホゴホとむせる。

「えっ、ごめんごめん笑」

「そんなびっくりすると思わんかった笑」

そう言って咳き込む私を見て笑ってるひとつ上の正門さん。

バイト先では仕事の話か天気の話か、くらいの
必要最低限の会話しかしたことないような。

だけど

今日の飲み会にわざわざ来たのは

正門さん来るって聞いたから、

.....だったりなかったり、

『.....正門さんも吸うんですか』

「いや、吸わんけど」

そう言いつつ私の隣にしれっと座って

「Aちゃんについてきた」

心臓が一瞬バクン、ってして

自分でも顔が赤くなってくのがわかる。

「........なんちゅう顔してんねん笑」

ぷふって笑うその横顔から目を逸らして、

なんとも言えないこの気持ちを紛らわせるように
手元のタバコに口を付ける。

『....吸わないなら戻らないと、なんか言われるんじゃないですか』

「なんかって？」

『いや、なんか勘違いとかされたら、』

「されたら嫌なん？」