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「瞬木、」
体育祭が終わってすぐ
轟は医務室に訪れていた。
ドアを開けてすぐ見えたのは、瞬木の後ろ姿。
リカバリーガールはいなかった。
「瞬木……？」
『………、なにか、よう？』
力のない返事と声に、轟は母親とその姿を重ねた。
「…リカバリーガールは」
『…いないよ。
閉会式の後は忙しいみたい。
怪我でもした？』
ーー顔が見たい。
轟は足を進め瞬木のすぐ側に立つ。
「瞬木……」
''大丈夫か''
なんて、言えるわけがない言葉。
言えない言葉。
真っ白な髪に触れると、瞬木はビクリと震えた。
それでも振り返らないソイツの頭を撫でる。
男が男に、
何してるんだ。
轟は自分のしていることを不思議に思いながら、その手を止めようとはしない。
『轟の手は、温かいね』
「普通だろ。
むしろ、低い方だ」
『いや、温かいよ。
気持ちいい。』
会話も続かず静まる室内。
轟の心音が少し早まった。
『俺さぁ、どうすればいいか、わかんないんだ』
「………」
『今まで頑張って、立つことだけを考えてた。
上を見るだけでいいって教えられてきたから、その通りにしてきた。
でもさっき、出久に言われちゃった。
周り見ろって、あんな顔、俺、させたいわけじゃなかったのに……っ』
ポタリと落ちた涙が、ベッドに染みを作る。
『轟、俺、どうすればいいの……？
出久まで失いたくない…』
''助けて''と、聞こえた気がした。
小さく震える背中を抱き締め、轟は腕をそっと回す。
治療を施された腕は包帯で触れられないけれど
少しでも温度が伝わればいいと思った。
「アイツは、お前を捨てるようなヤツじゃねえ
それはお前が一番知ってるだろ。
信じればいい、なんて簡単に言えることじゃねえのはわかってる。
けど、信じて何かが変わるなら、信じてみるのもアリなんだと思う。」
『しん、じ………る…？
おれ、だって、そんな、それでもし……』
「大丈夫だ。」
嗚咽を漏らしながら回された腕に手を置く瞬木。
それに少し驚きながらも轟は微笑んだ。
「なんだ」
__お前もあったけぇ。
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COCO CORON(プロフ) - いえ、面白かったです！！！ (2019年8月4日 20時) (
レス) id: 7374e01130 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - COCO CORONさん» なんと…！個性の設定から決めさせていただいた名前だったのですが、もしかしてそのせいでお話しに集中できませんでしたか…！？大丈夫だったでしょうか…？複雑なところもあったかとは思いますが、お読みいただきありがとうございます(^ ^) (2019年8月4日 19時) (レス) id: 40b62768f7 (このIDを非表示/違反報告)
COCO CORON(プロフ) - 夢主の母親と名前が同じだ涙 (2019年8月1日 16時) (レス) id: 7374e01130 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - シエルさん» はい！そうです(^ ^)ちょうどそのお話を書いている時にそのアニメを見ていたので、影響されてしまったらしく…（笑）このお話を読んでくださり、ありがとうございます！ (2018年8月14日 1時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
シエル - 脳が震えるはリゼロのペテルギウスですか？ (2018年8月13日 0時) (レス) id: 6b2fa3f0c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おむらーす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時：2016年8月26日 21時
