009 ページ10
.
________________ピピｯ
『2584………失敗かあ』
「「「「すげえ！！！」」」」
「そんなcm単位の誤差、なんともねえだろ！」
「バケモンか！」
『あともう一球はそーっれ。
俺力技は苦手だから、適当適当。』
「雑だな。」
『まあ、上位入りは確実だし。
そういえば、轟も相当だったな。』
「………そうか？」
『そそ。
ちょっと顔洗ってくるわ。』
.
.
.
『………ぉぇｯ……』
胃の中全部吐き出して、
カラカラになった胃から、胃液が出る。
気持ち悪い。吐き気が止まらない。
しまった。あんな簡単に、気分が乗っただけで
こんな‘‘個性”、使うんじゃなかった。
俺の透視は制御が効かない。
目を閉じていても見えて、目を開けると無駄に見えて
「見えなくなればいいのに。」
そう、何度も何度も自分の目を憎んだ。
『ぁ、あ………』
一度目を開くと、止まらなくなる。
見過ぎた。遠くを見ようと、目を開き過ぎた。
訓練しながらぶっ倒れた時のことを忘れてたわけじゃない。
だけど、少しなら、って
注意すれば大丈夫だろ、って
周りが‘‘個性”を発揮して頑張る姿を見て
俺ももっと頑張らなきゃって焦って
『アホか、』
自嘲気味に笑う。
水道を捻り、水を止める。
吐き気は治まりつつあった。
「大丈夫…？」
『!!
あ、えっと………』
声が聞こえて後ろを見る。
そこには、透明人間がいた。声からして女子だろう。
本当に透明だ…
「あっ、私 葉隠透！
瞬木くんでしょ！？さっきの凄かったね〜！」
『あ…、ありがと。
ところで葉隠さん、どうしたの？』
葉隠さんの片腕を見る。
片方だけ捲られた袖と、垂れている血。
あ、怪我したんか。
『……おいで。』
「!!?」
『水で砂とか流さなきゃ。
他に怪我したとこ、ない？』
「なっ、ないよ！ありがと！！」
汚れは無くなったけど、血は止まらない。
悩んだ結果、俺はハンカチを出すことに。
一応は女子ですから。
「えぇ!!?
汚れちゃうよ！血がついちゃう!!」
『大丈夫だから動かないで。
血が止まるまでジッとして。』
そういうと、葉隠さんはピタリと動きを止めた。
『あ、俺 測定戻らなきゃ。
そのハンカチあげるよ。それじゃ』
「……かっこいい…」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おむらーす(プロフ) - 海乃さん» わぁあっほい…！ありがとうございます!!(大声)笑 (2017年4月24日 17時) (
レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
海乃(プロフ) - 是非、押させていただきます。(小声)笑 (2017年4月24日 8時) (レス) id: 48d7b38e5a (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす(プロフ) - 優さん» 私にはもったいないお言葉です…ありがとうございます…！面白いですよね〜、DAYS(^-^) (2016年11月1日 23時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
優 - すごい面白いですね。自分に文才分けて欲しいです。DAYS好きです。 (2016年10月31日 21時) (レス) id: 0b03a041de (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます！リオンさんの優しさに感動してうるっときました…！！応援ありがとうございます！大きなお世話なんかじゃないですよ！すっっごく嬉しいです！(^^) リオンさんも気をつけてください！ (2016年8月17日 3時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おむらーす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時：2016年8月7日 0時
