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「初めまして、僕はバーボンです。
あなたのお噂はかねがね…」


「スコッチ、この男が来るだなんて聞いてないわ」


「ああ、言ってないからな」






久しぶりの半休だ。と零したのが悪かったのか
それなら紹介したい奴がいるとスコッチに言われ、まるで彼氏を連れてくる娘でも持った気分だと私は少し不思議な感覚を体感していたのだが

まさかこんなにも嘘くさい男だとは思わなかった。





貼り付けられたかのような笑みは、スコッチとは似ても似つかぬそれで
スラリと細く伸びた指や、骨ばった手が握手を求めてきているのだが、私は組んだ手を緩めようとはしない。


しかしこの男も諦めが悪い。今日半日の予定が無いとわかるや否や、仕事のあるスコッチに代わり「荷物持ちでもしましょうか」と提案をしてきたのだ。

勿論、断る気ではあった。嫌だ、と。来るな、とも。
けれどスコッチがあの笑顔で「それはいいな!任せたバーボン!」と頷くものだから私に断れるわけがなくて


仕方ない、足くらいにはなるだろう。と渋々その提案を受け入れたのだ。







「スコッチに随分と甘いようですが、お二人は何か特別な関係をお持ちなんですか?」



「……変なこと言わないで。
私は彼の教育係なだけであって、それ以外の感情なんて持ち合わせて無いわ。

あなたもやけに彼と親しいようだけれど、何かあるの?」



「おや、気になりますか?彼のこと」



「どちらかと言うとあなたに興味があるわ。
私の苦手な人種、という意味でね」






助手席に座り、外を眺める。
久しぶりにスコッチやジン以外の人間と喋っているような気もするのだが、この男でなくても良かっただろうと私は神を恨んだ。






「ところで、今日はどちらに?」


「このメモの場所、全部」


「……結構ありますね」


「やめてもいいのよ、タクシー捕まえるから」


「いえ、……最後まで、お供させていただきますよ。」

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おむ(プロフ) - (名前)りんくらさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。続きが気になっていただけてとても嬉しいのですが、実は調節中でして……。調節が終わり次第公開する予定ですので、それまでお待ちいただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします!(^ ^) (2019年3月25日 11時) (レス) id: 0478855421 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)りんくら(プロフ) - 凄くおもしろくて続きが気になります~!続編のパスワードを教えて頂けませんでしょうか??(;;) (2019年3月9日 19時) (レス) id: df2c55daee (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - はい!楽しみにしてますね、頑張って下さい^ ^ (2018年8月15日 1時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - red cherryさん» ツイッターでもフォローしてくださった方ですよね!ありがとうございます(^^) ゆっくり過ぎる更新速度ですが、これからも宜しくお願い致します。本当にありがとうございます! (2018年8月14日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 凄くおもしろいです!更新が楽しみです^ ^ (2018年8月14日 22時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho  
作成日時:2018年4月22日 22時

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