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「ディアブロ、ジンが呼んでるわ」



ブロンドヘアを靡かせながら、私の部屋にノックなしで入るこの女性。
最初はノックノックと注意を促していたのだが、数年も経てば諦めた方が早いのだと気がついてしまった。

それに何かとノックと叫ぶ私の声がジンの耳に届き、NOCと間違われてしまったこともあり……ああ、あれは今でもトラウマだ。




「ジンが…?仕事ならメールで伝えてと言ってるはずだけど……何かしら、ベルモットは知ってる?」


「さぁ。でもそうね…新しくコードネームがついた新人がいるって聞いたから、それじゃないかしら?」


「新人教育……?ええ…いやよ私。荷が重たいわ…」


「はいはい、早く行かないとジンがお怒りよ?」


「………はぁい」






部屋を出て、長い長い廊下を歩く。
時々すれ違う構成員から頭を下げられ、適当に返しながら進むその道は、いつ歩いても長いと感じさせられるのだから、しょうがない。


それにしても新人とは…
ジンのような男でなければそれでいいかもしれない。そんな考えを胸に、私はジンのいる部屋へと繋がる扉を開けた。


勿論、ノックもして。





「私よ」


「入れ」





煙草の臭いが充満する部屋に、最悪だと顔を顰める。
しかしそんなこと御構い無しにジンは話を進め出した。案の定、新人教育についてだ。

なぜ私なのだろう、という疑問はこの際置いておくとして、その肝心の新人とやらはどこにいるのやら。






「で?その新人はどこ?」



「……来い、_______________スコッチ」







私が来た時とは違う扉が開き、男が現れた。
髭の生えた、まつげの長い男だ。

思っていたよりも綺麗だと私はまじまじとその男を見る。
すると照れたように頬をかき微笑んだ。






ああ、なんて

なんて純粋な







「気に入った。よろしくね、スコッチ

私はディアブロ。悪魔だなんて物騒な意味がついてるけれど気にせず気楽に接して頂戴。」



「!ああ。よろしく、ディアブロ」









触れた手の温かさに、私はまた頬を緩ませた。

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おむ(プロフ) - (名前)りんくらさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。続きが気になっていただけてとても嬉しいのですが、実は調節中でして……。調節が終わり次第公開する予定ですので、それまでお待ちいただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします!(^ ^) (2019年3月25日 11時) (レス) id: 0478855421 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)りんくら(プロフ) - 凄くおもしろくて続きが気になります~!続編のパスワードを教えて頂けませんでしょうか??(;;) (2019年3月9日 19時) (レス) id: df2c55daee (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - はい!楽しみにしてますね、頑張って下さい^ ^ (2018年8月15日 1時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - red cherryさん» ツイッターでもフォローしてくださった方ですよね!ありがとうございます(^^) ゆっくり過ぎる更新速度ですが、これからも宜しくお願い致します。本当にありがとうございます! (2018年8月14日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 凄くおもしろいです!更新が楽しみです^ ^ (2018年8月14日 22時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho  
作成日時:2018年4月22日 22時

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