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39:「付き合ってもない女」 ページ40

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始は一旦寮に帰り荷物をまとめると、直ぐに帰ってきた。
そして帰宅早々、私に引っ付いたまま。「まるで猫ね」と笑うと「猫はこんなこともするのか?」とソファへと私を組み敷き手を伸ばす。







触れられた唇が、肌が、溶けるように熱い。

久しぶりだな、と何とも愛おしい表情(かお)で微笑みかけてくるのだから、心臓に悪い。

仕事はいいの?と聞くと、休みになった。とキスを落とす彼。多分、月城さんあたりが気を利かせてくれてのだろうけれど、本来ならいけないことだ。


そう思った直後、彼はくつくつと笑い、「そんな顔をするな。今回だけだ」と私の髪を掬う。



それだけで許してしまうのだから、私も相当だ。







『そういえば……』



「?」



『あなた、付き合ってもない女にこんなコトするの?』







そう、私たちの関係はあの日のまま。

私は別れたことに後悔はしていないし、もし彼に復縁を求められてもまた断るだろう。


けれど、彼は理解していないのかもしれない。







「ああ………そのことだが、」




『言っておくけど、もうあなたとは付き合えないわよ?
行くなって言われたアメリカだって………え、なに、ちょっと、ね、え…………』





数日は泊まる、ということで持ってきていた鞄の中からゴソゴソと何かを探し漁る始。

探し物を見つけたのか、始は無言で渡しに近づき、隣に座る。大きな掌に包まれた、何か。中身まではわからないけれど、まさか…と私は慌てるように口を開いた。







「お前の言いたいことはわかる。

けれど先に、俺の話を聞いてくれないか…?」








_________頼む


そう言った彼の瞳は 酷く悲しいものだった。

40:「俺たちみんな、」→←38:「妬ける。」



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おむ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!初の別れ話だったので私もハラハラしてましたが無事完結できただけでなくこんなにも丁寧に素敵な感想をいただかて私も胸がいっぱいです…。こちらこそ、本当にありがとうございました(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - ひこさん» ひこさんんん!わ〜!ありがとうございます!始さん推しの方に受け入れてもらえるか不安だったのでこんな風に感想がいただけてとても嬉しいです!(^^)安心しました…。はい!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます!1番と言っていただけてとても嬉しいです…!最後まで読んでくださり本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いします!(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - リラ@低浮上さん» ありがとうございました〜!はい!ご期待に応えられるようこれからも頑張ります!(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 完結おめでとうございます。別れ話で始まり、ハラハラしました。皆の愛情の深さ、それに彼女の愛の深さが素敵な話でした。途中、もどかしくて、始さんを密かに応援してました。もう、胸がいっぱいです。素敵な話をありがとう。 (2018年9月12日 21時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho  
作成日時:2018年1月25日 14時

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