17:「期待に応えてくれたのかと」 ページ18
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「……会いに来てくれたのか?」
『そんなわけないでしょう…どれだけプラス思考なのよ…』
「そうか。俺はてっきり、期待に応えてくれたのかと…思ったんだがな?」
小さく首を傾げる始と、冷めたような目で資料の入った紙袋を手にするA
資料というのはAのマネージャーが無理やりAに押し付けたものであり、実を言うと中身はただのコピー用紙なのだが
それを知らないAはまんまとマネージャーに騙され、始の部屋へと来てしまったのだ。
始も中身を確認してそれを察したのだろう。
半ば無理やり部屋へと入れると、手際よくアメニティとして置かれていたお茶を淹れ始めた。
『…どうも』
「熱いから気をつけろよ」
『始こそ』
Aは小さな椅子に、始はベッドへと腰かける。
カーテンが閉められているせいか、距離が近いからか、どこか閉鎖的に感じるその空間の中、Aはポツリ、ポツリと単語を発する。
『もうすぐね…、映画の撮影が、終わるの』
「……監督が少し厄介だって言ってたやつだな」
『そう。けどね、やっぱり凄かった。
あの人の作品に出れて、本当に良かったと思う』
「そうか」
これでもかと言うほどに、幸せそうな笑みを零すAと、その姿を愛おしそうに眺める始。
Aはお茶を口に運びながら、1つずつ、最近の出来事を話し始めた。
まるで、今まで過ごした二人の空白を埋めるように、話したかったの、と笑うように。
「……この仕事はどうして受けたんだ?」
『……たくさん、仕事がしたかったから。』
「仕事が…でもお前なら、この仕事以外に他にもあっただろ?
……全部受けてるわけじゃないだろうな…?」
『…まさか、そんなことウチのマネージャーが許すと思う?
大丈夫よ、ちゃんとスケジュール管理は出来てるから。』
お茶を全て飲み終えても、話は終わらなかった。
次から次へと話は弾み、気がつけば日付が変わろうとしていた。
楽しい時間は早く過ぎてしまうものだな、と始は眉を下げる。
そんな始に気づき、Aも時間を確認した。
『ごめん、話しすぎちゃって…』
「いや、久しぶりに二人で過ごせて良かった。
また今度食事でもどうだ?外が嫌なら寮で。
葵がお前の好きな料理の練習もしていたから、是非食べてやってほしいしな」
予想もしない人物の登場に、Aは呆れたように笑った。
18:「拒否されるのなら」→←16:(ああそうだ、期待したんだ。)
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おむ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!初の別れ話だったので私もハラハラしてましたが無事完結できただけでなくこんなにも丁寧に素敵な感想をいただかて私も胸がいっぱいです…。こちらこそ、本当にありがとうございました(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - ひこさん» ひこさんんん!わ〜!ありがとうございます!始さん推しの方に受け入れてもらえるか不安だったのでこんな風に感想がいただけてとても嬉しいです!(^^)安心しました…。はい!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます!1番と言っていただけてとても嬉しいです…!最後まで読んでくださり本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いします!(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - リラ@低浮上さん» ありがとうございました〜!はい!ご期待に応えられるようこれからも頑張ります!(^^) (2018年9月12日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 完結おめでとうございます。別れ話で始まり、ハラハラしました。皆の愛情の深さ、それに彼女の愛の深さが素敵な話でした。途中、もどかしくて、始さんを密かに応援してました。もう、胸がいっぱいです。素敵な話をありがとう。 (2018年9月12日 21時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時:2018年1月25日 14時