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「なあ夜くんよ、」



「ん?どうしたの、陽」



「お前、月谷Aと仲良かったのかよ」



「え、あー………仲良し、っていうか…
ほら、俺たち同じ委員会だし!」



「そんだけで仲良くなれるもんかよ」









本を手に取り、棚に戻す。


山積みになった本を戻しきるのはいつになるのやら、と他人事のようにその作業を眺める。



友人と別れて訪れた図書室は冷え切った廊下とは違って暖房が効いていて
座ってるだけで眠気が襲うほどだ。









「つーか、今日お前ひとり?」



「えっ!?
いや……1人、いるけど…」



「あ、それってもしかして____」









俺の言葉を遮るかのように突然扉が開いた。
外の冷気が一気に流れ込み、身体が震える。








『………葉月、陽…くん?』



「………月谷A?」









俺の思ってた通りだーとか

当たった当たったーとか




呑気に考えてる余裕なんてものはなくて









寒そうに息を吐き、普段とはまた違って鼻を赤くした少し気の抜けた姿に



単純にも、胸が高鳴った。









「月谷さん…!あの、陽は俺の幼馴染で…」



『知ってる。
いつも楽しそうに話してたじゃない。』



「!
そ、そっか……」



『それより長月くん、ごめんなさい。仕事任せちゃって』



「ううん、大丈夫。
外寒かったよね、暖房つけてるから少し温まってきて?」



『……それじゃあ、お言葉に甘えて。
すぐ戻ってくるよ』









一朝一夕で築けるような関係ではなさそうだった。



何よりもあの夜が高嶺の花相手にここまで話せるなんて、と感嘆する。


扉が閉まり、また暖房がまわった。

「あったけぇ」、とか言って座っていた俺の顔は、逆上せそうなくらい熱くなっていて









「わり、ちょっと外出てくるわ」



「え?あ、うん?」









( あー……… )









廊下の冷えた空気が


やけに気持ち良かった。

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おむ(プロフ) - 陣さん» 読んでいただきありがとうございました!楽しんでいただけてとても嬉しいです^_^ (2019年4月27日 13時) (レス) id: 0478855421 (このIDを非表示/違反報告)
- 最後まで最高でした!こういう素敵な作品が増えればいいのに。 (2019年4月21日 15時) (レス) id: 68fd1f4854 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - 来栖陽香さん» お久しぶりです!いつもコメントありがとうございます!(^ ^)黒年中との関係性、気に入ってたのでそう言ってもらえると嬉しいです!神がかって…?!あ、ありがとうございます…!!?たくさん読んでくださり本当にありがとうございます!いつもコメント嬉しいです(^ ^) (2018年4月3日 16時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
来栖陽香 - オムラースさんの作品は全て神がかってます!全て読んだ私が保証します。 (2018年4月3日 11時) (レス) id: a805fdd95d (このIDを非表示/違反報告)
来栖陽香 - お久し振りです!いやー流石ですね!陽との関係性はもちろん、新や葵などとの主人公の関係好きすぎて。年中組好きなので嬉しい! (2018年4月3日 11時) (レス) id: a805fdd95d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おむらーす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho  
作成日時:2017年9月4日 14時

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