Art.23 ページ23
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仕事から帰ってきたら、待っているはずの涙がいなかった。
散歩にでも行ったのか？と、俺は共有ルームの中を歩く。
もしかしたら寝てるのかもな、と、ドアのすぐそばで突っ立ってる夜と話しながら。
「涙………？」
「あー、いねぇ。こりゃホントに散歩行ったみてぇだな。
部屋はもう確認したんだろ？夜………夜？」
どうしよう、と小さな声が聞こえた。
いや、霊的なアレではなくて、夜の声で。
顔を真っ青にしながら夜は何かを考えている。
ただ事じゃないのは一目瞭然、けれど何が起こってるのかは俺にはわからなかった。
「………俺、探してくる…」
「は!?いやただの散歩だろ!?
あいつも子どもじゃないんだし帰ってこれるって…！」
「違うんだ！
涙は………涙はきっと、Aさんに会いに行ったんだ…!!」
荷物をその場に捨てるように起き、夜は走り出した。
その後ろを追いかけるように俺も走る。
夜は道を迷うことなく突き進み、俺はそれに違和感を感じた。
「ハッ、ハ……ッ」
「なぁ、夜！」
「……ッは、」
「止まれ！夜!!」
俺の声に耳をもとうとしないソイツの腕を思いっきり引っ張る。
ああ、これが女子ならいくらでも追いかけたのに、とかいうおふざけは今は底にしまっておこう。
「……お前、何を知ってんだよ」
「そんなことより涙を探さなきゃ！
今あの人の家に行くのは危険なんだ!!」
「あの人って……Aさんのことか？
いや、いい人なんだろ……？」
「危険なのはAさんじゃなくて…！その…か、彼氏だった人で…!!!」
なんとなく、察しはついた。
けれど、ここまで涙に過保護になるのも変な話だ。
そりゃ心配はするし、不安はある。
それなりに大切に思ってる仲間だからこそ、俺だって夜の気持ちがわからないわけでもない。
ただ
「アイツも、男だろ。」
好きな女一人自分で守れねーほど、ヤワじゃねえ。
そもそも、涙はこんなこと望んでねえ。
「帰ろうぜ。
アイツなら大丈夫だろ。」
「…………うん」
それでもまだ心配で、不安なんだろう。
俯く夜の頭に、手を置き髪をぐしゃりと撫でた。
「お前がそんなんでどーすんだよ。」
「…ごめん」
「前向いて歩け。」
「うん。」
アイツの好きなプリンでも
買って帰ってやるか。
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おむらーす(プロフ) - てぃみ〜さん» ありがとうございます！可愛い涙くんが書けてよかったです!!私が楽しんで書いたものをそんなふうに褒めていただけて嬉しいです！ゲナウ頑張ります！少々お待ちください！お気遣いまでありがとうございます!! (2017年9月3日 11時) (
レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
てぃみ〜 - 完結おめでとうございます!終始涙くんが可愛くて…とても、とても素晴らしかったです!!言葉に出来ない…!作者様の書く全ての物語の展開が本当に大好きです!!ゲナウ楽しみにしていますね!!無理せず頑張って下さい!! (2017年9月3日 3時) (レス) id: f99a1ade31 (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす(プロフ) - ちゅーるさん» ありがとうございます!!私のかく陽がかっこいいだなんてそんな…！もったいないお言葉…！ご期待にお応えできるよう頑張らせていただきますのでよろしくお願いします！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゅーる(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れ様でした。涙君の思いが実って本当に良かったです！おむらーすさんの陽くんはかっこよくて大好きなので、次回作期待してます！ (2017年9月2日 20時) (レス) id: 5e2b033c1c (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす(プロフ) - 練爛々さん» ありがとうございます！はい！覚えております！続けて読んでくださりありがとうございます！本当に嬉しくて嬉しくて…！お気遣いまでありがとうございます！精一杯頑張らせていただきます！よろしくお願いします！ (2017年9月2日 18時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おむらーす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時：2017年7月8日 0時
