【卯月新】嘘 月 同 盟【短編集】

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『新の匂い〜』




「目に毒だコレ。
え？俺今生きてる？幽体離脱とかしてないよね？え？俺大丈夫？むしろなんで大丈夫？」






俺のベッドで寝転がる彼女を、
色っぽく服が乱れ肌を見せる彼女を、


見逃すことのできる男が、この世のどこにいようか。





「……俺、実は死んでる？それとも夢？」





頬をつねるが、しっかりと痛い。

痛い痛いと言っていると、Aが寄ってきて、ベッドに座りながら俺の腰に抱きついてきた。





可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い


俺の彼女すっごく彼女！！！！！




……うん？








「ついに頭までおかしくなった……
よし寝よう、もう寝よう。

ほーれ、寝るぞAー」





『んん………やだ、まだ新といる。』





「はいはいハートクラッシャーAさん、そろそろ活動休止してくださーい」





『はーとくらっしゃぁ……？』





「そうそうハートクラッシャー
俺の心臓がそろそろ破裂するので寝ましょうねー」






いやまあ、俺だって好きなだけいちゃついてやりたい。

何なら''今夜は寝かせないぜ！''的な展開にだって持ち込みたい。




けど、今のこいつはどうよ。酔っ払いだぞ。可愛い酔っ払い。



朝起きたら記憶飛んでましたー、なんて俺がツライわ。
どうせなら、そういう事したっていう記憶は共有したいって俺は思うんだ。


だから、





「ほら、早く寝る…」

『手、出せばいいじゃん…』

「はい？」






こいつは相当な、演技派だったらしい。

甘い匂いを漂わせ、俺との距離を一気に近づかせてきたAは、
ベッドに寝転がる俺の上に乗り、熱を帯びたその手を俺の頬に置いた。







「うそつき。」




『……嬉しいくせに。』








Aからのキスなんて、いつぶりだろうな。
何度も降り注がれるキスに、俺は身を委ねてみる事にした。






『……ん…新、』





大人しく口を開けば、Aは器用に舌を絡めて
上手いなあ、なんて感心しながらAを見上げる。



もう、いいよな。







「ハイ交代。

今日はいいモンもらったから
お礼にたーくさん、気持ちよくしてやる。喜べうそつき。」








『……しょうがないから、期待してあげる。』









どうやら、今夜は寝かせてもらえなさそうだ。








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