多分あなたは知らない (ページ3)

今日:3 hit、昨日:17 hit、合計:6,028 hit

二ページ目ページ3

『わ…あの子派手に転けたね、リボンの色同じだから一年生かな？見たことないけど』

知らない子が目の前で…間違えた、後ろで転けたらどうする？私は傍観する。
それに…
"原作では"たらこが彼女に駆け寄り、手を差し伸べ保健室まで連れて行くし…私が助けたら意味がなくなってしまう。

「俺もあの子見たことなぁい、転入生かな？」

予想とは裏腹にたらこはその場から動かなかった。
見たことのない顔に疑問を持つだけだった。
『(なんで…？)』
この一連の流れはこの"ゲーム"の"初イベント"のはずなのに。

「ね、早く行こ」

彼は目の前の光景に飽きたのか私の腕を引っ張った。

『え、え、？助けなくていいの？』

初イベントなのに？あのヒロインちゃんはどうするの？

「？いいよ、だって知らない子だし」
『は…』
なんで、
「なに？Aあの子知ってるの？」
『い…や、知らないけど』
「じゃあいいじゃん！！ほら早く行こ？」

その後は引っ張られるがまま、たらこの後をついて行った。

『(どうなってるの、)』

可笑しい

座り込んだままのヒロインを私はただ眺めることしかできなかった。

--------
な、に？なんで、たらこくん目があったのに…絶対に
おかしい、"原作''ではたらこくんか焼きパンくんが助けに来てくれるって言うイベントでしょ…？
「どういうこと…？」

「ね、君そんな座り込んでどうしたの？」

その後彼女を保健室まで連れて行った男は一人ほくそ笑んだ。

「やっとかぁ、あ〜楽しくなりそ」