夢寐 Ⅳ (ページ50)

今日:68 hit、昨日:30 hit、合計:66,023 hit

・ページ50

リビングから飲み会の痕跡が消えもうお昼の時間
そういえばシーツ洗いたいって思ってたなと思い出して
今日初めて寝室に足を進めると
直ぐに目に入ったのは不自然な布団が盛り上がり

え？誰かいる？！

毎日ベットメイキングするのを習慣づけてたから
こんな状態であることは異常でしかなくて
恐る恐る近づいて布団をチラッと捲ると

「お、織山？！」

そこにいたのは背中を丸め縮こまって眠っている織山の姿で
慌てて口を抑える
なんでここに？そもそもなんで私の布団で寝てるの？

『寒い』

色々考えていたら急に聞こえてきた織山の声
起きた？と思い織山を見てもどうやら寝ぼけているようで
私の存在には気づかず手で布団を探す仕草をしている
とりあえず布団を戻そうと思い布団から手を離そうとした時
織山に腕をガシッと掴まれ引っ張られてしまい
抱き枕状態にされてしまう

一体なにが起こってるの？

『あったかい』

そう言うと首元にあたる織山の髪
甘えるように私の背中にグリグリと頭を押し付けてくる
抜け出そうにも腕の力が強くどうにもならなくて
仕方なくそのままでいると聞こえて来た言葉に目を見開く

『Aすき』

え？今なんて？織山私のこと好きなの？
こんな状態で言われたまさかの言葉に戸惑うしかないし
織山が起きてるのかどうかもわからなかった

暫くするとようやく腕を緩まるのを感じて
その隙に織山の元から脱出する
静かにそろーっと部屋から出ようとすると

『どこいくの？A』

織山の声で振り返ると
目を覚ましたのか私を姿を捉える織山の目

「どこって…？」

『俺、寒いって言ったじゃん』

いいから来てと言われ仕方なく織山の元へ近寄ると
また腕を引かれて今度は織山の胸の中
もしかしてコイツ最初から起きてた？

『Aが言ったんだよ？俺に泊まってけって』

「全然覚えてませんね」

『俺がソファで寝るって言ったのにAが寝始めるしさ、
　俺ここで寝るしかないよね？』

いや、帰ればよかったんじゃん？こんな酔っ払い放っておいて

『今、帰ればよかったんじゃって思ったでしょ』

よくお分かりで

『俺がみんなと帰ろうとしたらコートの裾握ってきてさ、
　2人で飲も？なんて言うんだもん。俺帰れないじゃん』

「それはご迷惑を…」

『そう。本当迷惑。俺、我慢すんの大変だったんだから』

そう言って耳元に近づく織山の顔

『責任とってくれるよね？』

『寝ぼけた声で』

fin