夢寐 Ⅳ (ページ48)

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コンビニに到着すると離される手
5分位織山と手を繋いでたんだけど
急に織山が黙るから私も特に話もせずにそのまま歩いた

『Aこれ好きでしょ』

私がアイスコーナーで氷を見ていると
両手で抱えてきたのは私しか飲まない缶チューハイの缶

「いや、それ私しか飲まないし。そんなにいらないよ？」

さ、戻した戻したって言って追い返したのに
床に置いていたカゴに放り込む織山

『みんなのも買うからいいっしょ。
　余ったら別の日に飲めばいいじゃん』

ちょっと膨れっ面で言ってまたお酒コーナーに戻る織山
なんか今日の織山はとにかく変だ

「おもーい！」

あれからおつまみとかも選ぶと
まぁまぁ重くなったビニール袋を抱えてきた道を戻る

『なに、重ーいってかわい子ぶっちゃって』

そういう織山は自然と重いものを持ってくれてるんだけどね
言ってみたくなっただけじゃん
そう言って今度は私が膨れっ面になると
フフッと笑った織山が私の持っているビニール袋に手をかける

『ほら、貸して』

「え？いいよ。」

『だって重いんでしょ？』

ほら。っと奪われて
急に手ぶらになってしまった手を見ていると振り返る織山

『なーに？荷物はいいから手、繋ぎたかった？』

首傾げて言うなよ。
なんか私が期待してたみたいじゃん

「ちが、そんなんじゃ…」

『ま。俺は繋ぎたかったけどね』

あー重なんてブツブツ言いながら先を歩いていく織山
なにそれ。やめてよ本当と自分の顔に熱が集まるのを感じた