夢寐 Ⅳ (ページ45)

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それからドライヤーをかけていくと
さっきまでピョンとなっていた寝癖は消えさり
真っ直ぐになって今はブラシで髪をとかしてもらってる

『Aの髪ってサラサラで柔らかいよね』

「そうかな？」

『俺、好きだよAの髪』

「えー好きなのは髪だけ？」

ちょっと拗ねた感じ言うと
手を止め鏡越してバッチリ合う目

『いつまでも俺に甘えてばっかりのAが好きだよ』

秀くんってストレートに言うから
聞いてる私の方がいつも照れて終わっちゃうんだよね

『照れてる。可愛い。』

そう言うと私の髪を流して首筋にキスする秀くん
サラッと自然にやるもんだから急に顔に熱が集まる

『さ、今日はどこへ出かける？』

直ぐに何事もなかったように
再び私の髪をいじり始める秀くん
くくってみたり、指でくるくるしてみたり
巻くのもいいかなーなんて言ってるけど

「…お出かけはいいかな」

出かける気なんてさっきのでなくなっちゃって
秀くんとイチャイチャしたいモード

『行きたくなくなっちゃった？』

もう！分かってるくせに！
振り向くと秀くんが嬉しそうにしてて
秀くんの思惑通りになっちゃった感じ

『もーAは本当に俺のこと好きだよね』

さ、おいで？と自分の膝をポンポンと叩いて
座るように促してきたからワザと背を向けて座ると

『そっちじゃないでしょ？』

包み込む感じで私の肩に顔を乗せると
耳元で言ってきた秀くんに
直ぐに持ち上げられてクルッと体制を変えられてしまい
目の前には秀くんの綺麗な顔
自分で仕掛けたのに秀くんにはお見通しみたい

『Aは直ぐに意地悪するね？
　俺からは言わないよ？Aのしたいことするんだから』

秀くんの手に顔を包まれて
目を合わせて言ってくる
あー私、この秀くんの目に弱いんだよね

『さ、Aは何したい？』

これは答えないと
ずーっと聞いてくる奴だ

「…秀くんとイチャイチャしたいなって」

私の答えを聞くと
髪を撫でて愛しい目に変わる秀くん

『素直でよろしい！
　じゃ、可愛いAの願いは叶えてあげないとね？』

それからソファの上でイチャイチャ
キスしたりひたすら見つめあったりぎゅーっと抱きしめあったり

「秀くん出かけなくて良かったの？
　まだ昼過ぎだしどこかいく？」

『んーいいかな。またAが離れたくないって言うでしょ？』

「もう言わないもん！離れたくないのは秀くんの方でしょ？」

『ふふっ。そうかもね』

『髪をとかす』

fin