夢寐 Ⅳ (ページ43)

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お風呂に入ったし後はもう寝るだけ

『映画でも見る？』

体はぽかぽかしてて眠いけど
まだ寝たくなくて光成の誘いを受けて映画を見る

薄暗くして見始めた映画
布団を体にかけ壁を背もたれにして
ベッドの上に2人くっついて座る

『Aこっちおいで』

最初は並んで座ってたんだけど
光成に呼ばれて足の間にすっぽりと収まる

「光成あったかいね」

『Aもね』

ギューっと背中から抱きしめられて肩には光成の顔
時々耳に光成の息がかかってだんだん変な気持ちになってくる
そんな状態を知ってか知らずか
映画は恋人たちの絡みのシーンになっていて

『俺たちもキスする？』

耳元で光成に呟かれて小さく頷くと
体を光成がいる方に向けさせられて
掬うように唇が何度も重ねられて
徐々に絡み合うようなキスに変わっていく

「ん…光成…っ」

苦しくて酸素を求めるように少しだけ口を開くと
光成の舌が入ってきてさらに深くなる
もうダメと胸を叩くとようやく離され
お互いの唇を繋ぐ銀の糸

テレビの消して
光成が私をジッと熱っぽい目でみるから
私も懇願するような目で光成をみると
直ぐに体を押される感覚と背中に当たる柔らかい感触
そして目の前に広がる天井と光成の色気のある顔

『A、いい？』

「うん」

それからは求め合うように
激しい夜を過ごした

行為後、光成の胸にギュッと抱きつく

『何、もう一回する？』

ちょっと意地悪そうな顔で
覗き込むように聞いてくる光成
だって3回もしたんだよ？
もう流石に無理だよ

「しない」

なんだ残念って…どんだけ体力あるんだろ？

『甘えたいんでしょ？』

コクンと頷くと光成が私の背中に腕を回して
力強く抱きしめてくれる
だって幸せなんだもん浸ってもいいでしょ？

『ほんと可愛い。』

そう言って髪にチュッとキスをしてくる。
ああ、これだけでも十分に満たされんだ。

そのまま眠ってしまい迎えた朝
隣を見るとスヤスヤ眠っている光成の顔を見て
また満たされる気持ち

まだ早いから寝てもいいよね？
寝ている間に少し開いてしまった隙間を埋めるように
光成の背中に腕を回すと再び深い眠りへと落ちていった

『お泊り』

fin